2007 Fiscal Year Annual Research Report
mTORを介した栄養循環感知システムの機能異常と病態
Project/Area Number |
19590308
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
原 賢太 Kobe University, 医学系研究科, 特定助教 (70397826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横野 浩一 神戸大学, 医学系研究科, 教授 (50144580)
永田 正男 神戸大学, 医学系研究科, 准教授 (70294220)
森山 啓明 神戸大学, 医学系研究科, COE研究員 (70372646)
安田 尚史 神戸大学, 医学部附属病院, 臨床研究員 (50403233)
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Keywords | 栄養センサー / mTOR / 細胞内シグナル |
Research Abstract |
1.mTORを介した細胞内シグナルの分子基盤の解明 mTORに対するscaffold蛋白Raptorと生理的に結合している蛋白PRAS40を見出した。本蛋白はRaptorを介してmTORによってリン酸化され、Ser183がそのリン酸化部位であることを明らかにした。mTOR阻害剤であるラパマイシンによる処理やアミノ酸の除去によってそのリン酸化が阻害される一方、mTORの上流の活性化分子であるRhebの発現によりそのリン酸化は亢進した。PRAS40はRaptorを介したmTORの生理的リン酸化基質であると考えられた。(J. Biol. Chem. 282; 20329-20339) 2.Rheb発現トランスジェニックマウスの解析 Rhebをインスリンプロモーターの下流につないだtransgeneを持つマウスを作成した。このマウスは糖負荷に対して、良好な耐糖能を示し、それは良好なインスリン分泌によってもたらされるものであった。組織学的解析にて、膵β細胞の領域が増加していることが示され、それは主に細胞増殖の亢進ではなく、細胞サイズの増加であることが明らかとなった。更にストレプトゾトシン処理や肥満によって引き起こされる高血糖に対しても、Rheb発現トランスジェニックマウスは良好な耐糖能をもたらすことが明らかとなった。以上から、膵β細胞におけるmTORシグナルの活性化はβ細胞の成長を促すことで良好なインスリン分泌をもたらすことが明らかとなり、将来糖尿病治療のひとつの標的となりうると考えられた。
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Research Products
(7 results)