2008 Fiscal Year Annual Research Report
mTORを介した栄養環境感知システムの機能異常と病態
Project/Area Number |
19590308
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
原 賢太 Kobe University, 医学部附属病院, 助教 (70397826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横野 浩一 神戸大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50144580)
永田 正男 神戸大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (70294220)
森山 啓明 神戸大学, 医学部附属病院, 臨床研究員 (70372646)
安田 尚史 神戸大学, 医学部附属病院, 臨床研究員 (50403233)
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Keywords | 栄養センサー / mTOR / 細胞内シグナル |
Research Abstract |
1.mTORシグナルに関わる新規分子の同定 単離したmTORとraptorをin vitroで単独で反応させても、再結合は見られず、既知のmTORシグナルに関与する分子やシグナル伝達に関わる脂質を共存させてもmTORとRaptorの再構成は確認できなかった。しかし、細胞抽出液存在下では、再構成が観察できた。そこでmTORとRaptorの複合体が再構成される際に共存する蛋白を、SDS-PAGEで同定し、複数の候補蛋白を見出した。mTORとRaptorの複合体形成に第3の蛋白が必要であるということはこれまで知られておらず、この蛋白の機能解析はmTORシグナルの全貌の解明とその機能異常がもたらす病態を明らかにする上で、非常に重要な治験をもたらすものと思われる。現在その蛋白を質量分析装置にかけ、蛋白質の同定を行っている。 2.膵臓β細胞におけるmTORシグナルの役割 膵臓β細胞特異的にRhebを発現させたトランスジェニックマウスにおいては、良好なインスリン分泌を示し、肥満やストレプトゾトシン誘導糖尿病の発症を抑制した。その機序として、膵β細胞の増殖の亢進やアポトーシスの抑制には有意な差が認められなかったのに対し、膵β細胞の成長がトランスジェニックマウスで有意に亢進していた。一方、mTOR阻害剤ラパマイシンでマウスの処理を行うと、耐糖能異常が出現し、インスリン抵抗性に対する代償性のβ細胞の増大が抑制されている可能性が考えられた。またRheb発現によって得られた良好なインスリン分泌能が抑制されていた。mTORシグナルは全身のインスリン抵抗性と膵β細胞の代償性過形成の両方に関与している可能性が考えられた。
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Research Products
(4 results)