2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590311
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
桑原 一彦 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (10263469)
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Keywords | 微小相同組換え / クラススイッチ / DNA損傷 / 非相同末端接合 |
Research Abstract |
免疫グロブリン遺伝子V領域及びC領域のDNA組換えにおけるGANPの機能を解析した。 1)NHEJに関わる分子の遺伝子欠損マウスの解析結果から、V(D)J再構成とクラススイッチはNHEJが関与していることが示されている。GANPがRAG依存的に起こるV(D)J組換えに対してどのように影響するかをin vitroのV(D)J再構成システムにGANP発現ベクターを共遺伝子導入して解析した。その結果、GANPとそのC末端側のみをもつMCM3APの両者ともRAG依存的組換えには何の効果も及ぼさなかった。 2)B細胞特異的GANP欠損マウスはコントロールマウスに比べて血清IgG1とIgE値が高く、またGANP欠損B細胞ではコントロールB細胞に比べて刺激後早期にγ1とεのswitched transcriptsが上昇した。またGANP欠損B細胞をIL-4/抗CD40抗体刺激でクラススイッチを誘導した時にmRNA発現量、細胞表面のタンパク発現量、さらに培養上清中の抗体価が正常よりも増加していた。この時、Sμ/Sγ1のjunction配列が2〜5塩基のmicrohomologyで修復されている割合が有意に多くなっていた。GANP欠損B細胞をIL-4/抗CD40抗体以外の組み合わせ(LPS単独またはLPS/IL-4)で刺激し、Sμ/Sγ3のスイッチjunction及びSμ/Sγ1のスイッチjunctionにおけるmicrohomologyの出現頻度をシークエンス解析した。これらのスイッチjunctionではコントロールB細胞と比較してMMEJによる修復の増加は認めなかった,GANPはIL-4/抗CD40で誘導されるIgG1とIgEへのクラススイッチに関与することが示唆され、GANP欠損B細胞におけるクラススイッチの障害はmicrohomologyを介するMMEJにより修復される可能性が考えられた。
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