2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規ニトログアノシン環状一リン酸の生体内生成とそのNOシグナルへの関与
Project/Area Number |
19590312
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
澤 智裕 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (30284756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 竜哉 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (30419634)
赤池 孝章 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20231798)
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Keywords | 酸化ストレス / 一酸化窒素 / レドックス / シグナル伝達 / 適応応答 |
Research Abstract |
8-ニトログアノシン3',5'-サイクリックーリン酸(8-ニトロcGMP)は、一酸化窒素生成に依存して細胞内に生成する新規な環状ヌクレオチドであり、蛋白質のチオール基に対して付加反応を起こし、蛋白質8-チオールcGMP付加体を形成する。本研究では、8-ニトロcGMPとチオール基との反応メカニズムを解析するとともに、その細胞シグナルへの影響を解析することを目的としている。平成19年度は、8-ニトロcGMPとチオール基の反応メカニズムを解析した。まず、8-ニトロcGMPと種々のアミノ酸の反応を解析したところ、8-ニトロcGMPはシステインとのみ反応し、その他のアミノ酸とは見かけ上全く反応せず、チオール基に選択的であることが分かった。また、チオール化合物と8-ニトログアニン誘導体との反応速度を解析した結果、8-ニトロcGMP>8-ニトログアノシン>>8-ニトログアニンの順であった。8-ニトロcGMPとチオール化合物の反応速度はpH依存的であり、チオール化合物のpKa付近で最大の反応速度を示し、それよりも弱酸性領域では反応性が著しく減少した。したがって、8-ニトロcGMPとの反応には、チオール基が酸解離したチオレートアニオンが主たる反応種であることが示された。蛋白質8-チオール付加体を検出するために特異抗体の作製を試みた。8-チオールcGMP付加体については、ウサギポリクローナルとマウスモノクローナル抗体を得た。また、8-チオールグアノシン付加体については、ウサギポリクローナル抗体を得た。これら抗体を用いて、次年度以降、細胞内における8-チオール付加体形成反応の解析を進める予定である。
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Research Products
(9 results)