2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590317
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
仲田 文造 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 准教授 (60271178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八代 正和 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60305638)
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Keywords | 膵癌 / 分子標的治療 / 代謝拮抗剤 |
Research Abstract |
1.膵癌培養細胞に対する分子標的治療薬の効果の検討 膵癌培養紐胞MiaPaca-2を用いて検討したところ、HER2およびEGFRを分子標的とするlapatinibによるin vitroの実験では、ほとんど細胞増殖抑制効果がなかった。しかし5-FU系経口抗癌剤S-1の成分である5-FU+CDHP (5-FUを分解するDPD酵素の阻害薬)とlapatinibを併用すると5-FU+CDHPの細胞増殖抑制効果は著明に増強した。(併用効果をみるMedian Effect Analysisにより解析すると、synergisticな効果であった) 2.in vivoにおける検討 nude mouseに膵癌培養細胞MiaPaca-2、Capan-1、Capan-2、Panc-1のxenograftを作成し、これにS-1単独、lapatinib単独、S-1+lapatinib単独(いずれも週5日、経口投与)した。全ての細胞においてlapatinib単独でも腫瘍増殖抑制効果を認めた(非投与に比べた腫瘍の大きさが27-58%)。また、MiaPaca-2とPanc-1においては併用により相加的効果を認めた。 3.膵癌切除標本を用いた標的分子発現の免疫組織学的検討 膵癌切除例129例の切除標本を用いた免疫組織染色による検討では、HER2発現は2例(61.2%)において陽性であった。HER2陽性例は単変量解析にて陰性例より有意に予不良であった(生存中央値14.7ケ月vs20.7ケ月)。また、HER2陽性は多変量解析でも独立した有意な予後不良因子であった。EGFR陽性は42.6%に認めたが、単変量解析で有意な予後因子ではなかった。lapatinibの標的分子であるHER2またはEGFRが膵癌切除例の検討で 69.8%に発現していた。
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Research Products
(1 results)