2008 Fiscal Year Annual Research Report
MAPKシグナル依存性MITF活性化機構の悪性黒色腫の病態における意義の解明
Project/Area Number |
19590321
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
住本 秀敏 Keio University, 医学部, 助教 (00306838)
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Keywords | 悪性黒色腫 / MITF / BRAF / MAPK / RNAi / DNAマイクロアレイ / 分子標的 / HIVベクター |
Research Abstract |
昨年度、8種類のヒト悪性黒色腫細胞株につき、コントロールshRNA vs MITF shRNA vs BRAF^<v600E> shRNA処理細胞株のDNAマイクロアレイ解析を施行し、MITFおよびBRAF発現抑制により発現変動した遺伝子リストを作成した。各細胞株につき、以下の3種類のカテゴリーに分けて遺伝子リストを作成した。(1)MITF発現抑制に伴い発現が変動するが、BRAFの発現抑制によっては影響を受けない遺伝子、(2)BRAF発現抑制に伴い発現が変動するが、MITFの発現抑制によっては影響を受けない遺伝子、(3)MITFとBRAFの発現抑制により、共通に発現が変動する遺伝子。まず、8種類の細胞株全てに共通して変動する各カテゴリーの遺伝子リストの作成を試みたが、該当する遺伝子は存在しなかったため、クラスター解析を施行して、遺伝子発現プロフィールの類似した細胞株をグループ化し、各グループで共通に変動する遺伝子リストの作成を試みた。クラスター解析により、大きく二種類のクラスターに分類が可能であり(5株vs3株)、前者のクラスターは更に、3株(クラスターA)vs2株の小クラスターに分類が可能であった。クラスター毎に遺伝子リストの作成を行い、比較的該当遺伝子数が多い、クラスターAに関して(3)のカテゴリーに該当する遺伝子リスト中、機能が既知の分子に着目して悪性黒色腫における機能及び発現機構の解析を行った。クラスターA中、(3)のカテゴリーに属する遺伝子中、ETV4, BMX, PIWIL2, TGM2の4遺伝子が既に癌の悪性形質との関連性が指摘されている分子であった。ETV4の発現抑制は、細胞増殖抑制とマトリゲル浸潤能を抑制した。ETV4遺伝子のプロモーター配列中にMITFの結合配列E-boxが一箇所存在したため、ルシフェラーゼアッセイによりETV4のプロモーター活性が、MITFとBRAFにより活性調節を受けるか否かを検討したが、MITFによる直接制御は証明されず、二次的な発現調節を受けている可能性が高いと考えられた。
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Research Products
(5 results)