2008 Fiscal Year Annual Research Report
パーミュテーションテストのゲノムワイド疾患関連解析への実用的適用手法に関する研究
Project/Area Number |
19590332
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 亮 The University of Tokyo, 医科学研究所, 准教授 (50301106)
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Keywords | パーミュテーションテスト / 一塩基多型 / マルチプルテスティング |
Research Abstract |
一塩基多型を用いたゲノムワイドアソシエーション(GWA)スタディが積極的に展開されている。多数の遺伝子多型マーカーを用い、それぞれに複数の仮説検定を実施する解析戦略が採られるため、高度かつ複雑なマルチプルテスティング問題が発生している。本研究課題においては、このマルチプルテスティング問題をパーミュテーションテストの枠組みで解決する方法について検討している。平成19年度にあたっては、比較的少ない形質ラベルシャッフリング試行から、有効検定仮説数を推定する手法について検討し、アルゴリズム化した。また、それをツールとして実装し、小規模シミュレーションデータでの挙動について検討した。さらに、開発ツールを遺伝疫学解析を実施している他機関の実疫学データに適用し、そめ挙動についての検討を行った。また、有効検定仮説数の推定に基づく補正から生じる、推定誤差に関する検討を実施した。また、対象データを実用レベルに大規模化するにあたっては、計算機処理における分散化が必要になることが多いため、小規模PCクラスタ環境を構築し、運用を開始した。また、PCクラスタにおける分散処理を簡易に実施するための方法について検討し、プログラムの改変を行った。平成20年度には、以下を実施した。本手法を自機関の小規模クラスタに実装し、その移植性を確認する目的で、他プロジェクトにて共同研究を実施している機関のクラスタに導入し、動作確認を行った。特に問題は発生しなかった。自機関での実行、ならびに、共同研究機関での実行をゲノムワイドアソシエーションデータに適用することで、操作性・実行時間上の改善点の可能性を検討し、ツールの改良を進めた。それらの成果を、本プロジェクトにて導入した情報発信用ウェブサーバにおいて公開した。そのウェブサイトは、本プロジェクトのツール並びに、遺伝子多型を用いた連鎖不平衡マッピングのための複数の自作ツールの概要説明とウェブ上ツールとしての利用、ならびに、ダウンロードしての利用を可能にしている。また、ツールの利用のみならず、遺伝子多型連鎖不平衡マッピングに関する、総合的な情報ソースとしての体裁を整え、研究コミュニティに提供した。このサイトは、国外を含むアクセスが毎月1万件超に達したことから、成功していると考えている。
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Research Products
(11 results)