2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムワイド関連解析により見出した尋常性乾癬感受性遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
19590337
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
岡 晃 Tokai University, 医学部, 講師 (80384866)
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Keywords | 尋常性乾癬 / マイクロサテライト / GPCR |
Research Abstract |
当研究室において開発した全ゲノムにわたる約30,000個のマイクロサテライトを用い、尋常性乾癬の関連解析を実施した結果、新規乾癬感受性遺伝子を2個見出すことに成功した。そしてこの感受性遺伝子の機能解析が本研究の目的である。本年度は、引き続き最も関連が強いマイクロサテライトが転写調節領域に存在するGPCR遺伝子の機能解析等を推進した。 このGPCR遺伝子について発現組織特異性の検討を行った結果、CD4+細胞での発現を確認している。そこでさらにこのCD4+細胞において、どの細胞分集団で発現しているのかを検索した結果、Naive CD4+細胞特異的であることが明らかとなった。今までに知られている乾癬発症機序の中で、Th1およびTh17細胞の存在は重要であると考えられているが、Naive CD4+細胞はこれらに分化することのできる前駆細胞であり、このGPCR遺伝子がその細胞表面で発現していることは非常に興味深い。 さらに、患者・健常者の末梢血単核球のRNAを用いて遺伝子定量を行ったところ、感受性アリルを有する個体群では、それ以外のアリルを持つ個体群と比較して、相対的な発現量が有意に上昇していた。すなわち、感受性アリルと遺伝子発現の関連性を証明することができた。 また、このマイクロサテライトを含むGPCR遺伝子の転写調節領域をターゲットにレポーターアッセイを行ったところ、T細胞由来のJurkatセルラインでのみ、約6倍転写活性が認められ、末梢血単核球を用いた遺伝子定量の結果を裏付けるものとなった。 一方、この感受性アリルとその他の感受性遺伝子座との相互関係の有無を遺伝学的なデータを元に調査した結果、HLA-C遺伝子のあるアリルとの関連を見出した。すなわちGPCR遺伝子の感受性アリルならびにHLA-C遺伝子感受性アリルのオッズ比に対し、両アリルを有するDiplotypeでのオッズ比がそれらよりも上昇していることを明らかにした。 今回の研究により、感受性アリルと遺伝子発現、臨床検体での遺伝子発現、さらには他の遺伝子との相互関係まで総合的に解明し、大きな成果を上げることができた。
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[Journal Article] Genome-wide association analysis with selective genotyping identifies candidate loci for adult height at 8q21.13 and 15q22.33-q23 in Mongolians.2008
Author(s)
Kimura T, Kobayashi T, Munkhbat B, Oyungerel G, Bilegtsaikhan T, Anar D, Jambaldorj J, Munkhsaikhan S, Munkhtuvshin N, HayashiH, Oka A, Inoue I, Inoko H.
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Journal Title
Hum Genet. 123
Pages: 655-60
Peer Reviewed
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