2007 Fiscal Year Annual Research Report
EBV関連リンパ増殖異常症の新分類画定を目指した臨床病理学的、生物学的研究
Project/Area Number |
19590344
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 栄男 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (80180363)
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Keywords | 病理学 / 癌 / 加齢 / 免疫機能異常 / EBV / 悪性リンパ腫 |
Research Abstract |
加齢性EBV関連B細胞性リンパ増殖異常症96例については臨床病理学的解析を完了した。EBV陰性びまん性B大細胞型リンパ腫と比較して明らかに高齢者に多く、予後不良であり、従来の予後予測因子による層別化が困難なことを明らかにした。悪性リンパ腫全体の中で特異な一群を形成し、加齢に伴う患者免疫機能の低下が背景に予測され、内容を平成19年度中に報告・公刊した(Clin Cancer Res 2007: 13; 5124)。これらの成果を以って、加齢性EBV関連B細胞性リンパ増殖異常症は、現在、改訂中のWHO分類第4版に正式に項目として掲載される予定である。現在、EBV関連ホジキンリンパ腫130例との比較研究を進めつつあり、病態面で明らかに異なることを明らかにし、論文を準備中である。さらに、病型に係わらず、これらEBV関連B細胞系腫瘍細胞が、CCL17,CCL22などCCR4陽性TH2細胞の誘導に関わるケモカイン発現を示すことを明らかにした。EBV陽性腫瘍細胞がhost免疫機能から逸脱する機構を考える上で示唆に富む知見といえる。現在、これら症例を対象とする前方登録システムを立ち上げ、症例集積をさらに重ねると同時に、rituximabなど新規薬剤に対する治療反応性についても検討しつつある。今後、鼻型NK/T細胞リンパ腫230例、EBV関連細胞傷害性T細胞リンパ腫45例の解析を開始する予定である。これら症例の解析に関しては、特に慢性EBV感染症との相関について解析する予定である。
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Research Products
(21 results)