2007 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子PBX1を介した抗アポトーシス経路と転移との関連の解明
Project/Area Number |
19590346
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
冨田 裕彦 Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses, 病理・細胞診断科, 部長 (60263266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青笹 克之 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30115985)
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Keywords | Valosin-containing protein / Pre B cell leukemia transcription factor 1 / E74-like factor 2 / 転写因子 |
Research Abstract |
研究者らは、これまで腫瘍におけるValosin-containing protein(VCP)の発現が、腫瘍の抗アポトーシス性、向転移性と関与し、また実際に様々な癌においてVCPの発現と転移、予後とが関連することを報告してきた。さらにVCP発現に関与する転写因子としてPre B cell leukemia transcription factor l(PBXl)を同定した。本研究は、これまでの研究をさらに発展させ、VCP発現におけるPBX1、さらにはそれ以外の因子の関与を検討すること、またそれらの因子の発現の臨床的意義について検討することを目的として行われた。 まずVCPのプロモーター領域をさらに詳しく検討したところ、転写因子E74-like factor 2/new Ets-related factor(ELF2/NERF)の結合部位を発見した。クロマチン免疫沈降法によりELF2/NERFがVCPプロモーター領域に結合することを確認し、さらにsi-RNA法を用いてELF2/NERF発現がVCP発現と関連することを確認した。これらのことはELF2/NERFがVCPの転写因子であることを示唆した(Biochem. Biophys. Res. Commun. , 2007)。PBX1について検討したところ、PBX1にはPBX2, PBX3などの構造の類似したFamilyが存在し、転写因子結合部位等も共通であることが確認された。ヒト腫瘍について検討を行ったところ、PBX1ではなくPBX2の発現がVCPと関連し、また予後とも関連することが明らかになった(投稿準備中)。
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