2008 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子PBX1を介した抗アポトーシス経路と転移との関連の解明
Project/Area Number |
19590346
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
冨田 裕彦 Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses, 病理・細胞診断科, 部長 (60263266)
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Keywords | Valosin-containing protein / Pre B cell leukemia transcription factor 1 (PBX1) / Lung cancer / prognosis / transcription factor |
Research Abstract |
研究者はこれまでValosin-containing protein(VCP)を介しか抗アポトーシスと癌の転移との関連についての検討を行い、その転写制御因子としてPre B cell leukemia transcription factor 1(PBX1)を同定した。本研究は、これまでの研究を発展させ、癌細胞のVCPを介した抗アポトーシスと転移メカニズムにおける転写因子PBX1の重要性についての検討を行なった。まず、肺癌細胞株PC14並びにA549を用いて検討を行なった。siRNAを用いたPBX1の発現抑制ではこれらの細胞でのVCP発現は抑制されなかったが、PBX1のhomologueであるPBX2を発現抑制したところ、VCP発現の抑制が観察された。よってPBX2にターゲットを絞ってさらに検討を行なうことにした。Chromatin Immunoprecipitation Assayを用いてPBX2のVCPプロモーター部位への結合を確認した。VCPプロモーター部位を含んだプラスミドを用いてルシフェラーゼアッセイを行なったところ、PBX2結合部位への変異導入でルシフェラーゼ活性の低下が確認された。これらの検討結果は、肺腫瘍において、PBX2がVCPの重要な転写因子であることを示唆した。さらに実際の肺癌手術標本を用いて検討したところ、PBX2発現とVCP発現との間に正の相関が認められ、PBX2、VCP発現ともに、肺癌の予後因子であることが確認された。
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Research Products
(5 results)