2007 Fiscal Year Annual Research Report
節外性と節性濾胞性リンパ腫及びマルトリンパ腫間の網羅的分子病理学的な比較
Project/Area Number |
19590348
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉野 正 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70183704)
|
Keywords | 悪性リンパ腫 / 非ホジキンリンパ腫 / 濾胞性リンパ腫 / 節外性 / 節性 / 十二指腸 / マントル細胞リンパ腫 / 骨髄腫 |
Research Abstract |
診断ファイルに登録されている悪性リンパ腫症例約8000例中より節外性濾胞性リンパ腫、特に十二指腸症例を40例程度抽出し、臨床病理学的検討、通常のCD20,CD79aなどのB細胞マーカー、CD3,CD5などのT細胞マーカーに加えてCD10,MIB-1,bcl2蛋白を検索した。また、bc12遺伝子の再構成(t(14;18)(q21;q23))をPCR法によっても検討を行い、同時平行してクロナリティーの検索にはPCR法を用いた免疫グロブリン重鎖遺伝子の再構成を検索した。クロナリティーが認められたものではダイレクトシークエンス法でのVH遺伝子ファミリーを検索した。この結果、十二指腸濾胞性リンパ腫例は節性のそれと比較して臨床病期の低いこと、骨髄浸潤が低率であることを見出した。また、VHのusageではVH4に偏在していることがあり、これはMALTリンパ腫例に近いことが判明した。さらにt(14;18)では節性と比べてそん色ない転座で、あることがわかった。これにより、十二指腸濾胞性リンパ腫は濾胞性リンパ腫としての基本的免疫遺伝学的発生機転を有しつつもMALTリンパ腫に近似した性格を有することを見出し、学会、学術論文として発表した。マントル細胞リンパ腫については、多発性骨髄腫との関係で検索を開始している。このほかDNAマイクロアレイ(あるいはCGH法を選択することも含めて)では基本的条件設定を追究している。同時に節外性濾胞性リンパ腫、節性濾胞性リンパ腫について十分量を検索できる症例を収集することを進めている。このほかいくつかの悪性リンパ腫における臨床病理学的検討をし、文献報告した。
|