2008 Fiscal Year Annual Research Report
節外性と節性濾胞性リンパ腫及びマルトリンパ腫間の網羅的分子病理学的な比較
Project/Area Number |
19590348
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉野 正 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70183704)
|
Keywords | 悪性リンパ腫 / 非ホジキンリンパ腫 / 濾胞性リンパ腫 / 節外性 / 節性 / 十二指腸 / 濾胞樹状細胞 / 体細胞突然変異 |
Research Abstract |
引き続き十二指腸に主座をおく濾胞性リンパ腫について検討を行った。新たな成果として、新規症例ついて検討し、免疫グロブリン遺伝子再構成が見られた症例についてon-going mutationの有無について検索した。またVHファミリーのusageについても追加症例を加えて更に規模を拡大して検討した。その結果、on-going mutationは認められ、節性と同様の分化段階、胚中心細胞に近似した正確があることを確認した。このことから胚中心での細胞選択に重要な濾胞樹状細胞の分布を調べたところ、腫瘍性濾胞では周辺に濾胞樹状細胞が存在するが、全体としての分布はきわめて疎である予想外の結果となった。このような所見は粘膜関連リンパ組織リンパ腫でよくみる所見である。また、on-going mutationやclass switchに重要であるActivation-induced (cytidine) deaminase (AID)の発現を検討したところ、節性濾胞性リンパ腫と比べて明らかに低率な発現しかないことが判明した。このことは、十二指腸濾胞性リンパ腫が非常に特異な存在であることを示唆している。成果はUSCAPの公式雑誌であるModern Patholに投稿受理された。マントル細胞リンパ腫については、新規な知見は得られなかったがcyclin D1強発現で共有した異常を示す多発性骨髄腫でCD79aの発現との関係で興味ある知見があり今後検索予定である。DNAマイクロアレイについては、十分量を用いての検索ができず、他の検索手段を模索するとともに成人T細胞リンパ腫関係について検索しいくつかの知見を得て今後発展させる予定である。このほかいくつかの悪性リンパ腫における臨床病理学的検討をし文献報告した。
|
Research Products
(4 results)