2007 Fiscal Year Annual Research Report
心筋架橋による冠状動脈硬化の抑制機構と心筋虚血に連なる架橋の解剖学的特性
Project/Area Number |
19590369
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
石井 寿晴 Toho University, 医学部, 教授 (30101893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 由起雄 東邦大学, 医学部, 准教授 (30276894)
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Keywords | 冠状動脈 / 心筋架橋 / 動脈硬化 / 内皮細胞 / ずり応力 / 血液凝固因子 / 線溶活性因子 |
Research Abstract |
19年度の研究結果 材料及び方法:死後時間が短く、免疫染色が可能で、かつ、冠状動脈の内膜表面に完全に内皮細胞が残存しており、又、左前下行枝に心筋架橋を有した18例につき、左冠状動脈入口部からら5mm間隔で、パラフィンブロックを作製した。これらにつき、型どおりに免疫染色を行った。すなわち、thrombomodulin,I-CAM,V-CAM,tissue factor,tPA,PAI-1,NF-kBの各種抗体を用い、適宜に免疫染色を施し、内皮細胞及び内膜中におけるこれら分子の発現状況を、冠状動脈周囲の心筋架橋の有無と共に観察した。 結果:心筋架橋に被覆された部位の、冠状動脈内皮細胞において、上記の7種のうち、thrombomodulin,tissue factorの内皮細胞における発現が、心筋架橋の入口部の近位側における内皮細胞におけるこれらの発現に比して、有意に発現が多くみられた。一方、血液凝固因子や内皮細胞接着因子の発現に関しては、心筋架橋の有無との関係では、差がみられなかった。 考察:一般的に認められている動脈硬化の発生機序としての"response to in jury"におけるモデルは、in vitro studyにおけるずり応力に対する内皮細胞における各種のタンパクの発現レベルでの応答とin vivoにおける実際の発現レベルとの関連からみると、若干の相違があることが窺えた。心筋架橋によるずりお威力を介した血液凝固・線溶系に限れば、心筋架橋の入口部の近位側では、比較的進行した病変においても、血液凝固の亢進はさほど顕著ではないのかもしれない。
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Research Products
(4 results)