2009 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージに発現するNa+/Ca2+交換体の粥状硬化進展機序における役割
Project/Area Number |
19590372
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
坂田 則行 Fukuoka University, 医学部, 教授 (20134273)
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Keywords | 粥状硬化 / プラーク破裂 / マクロファージ / Na+ / Ca2+交換体 / マトリックスメタロプロテアーゼ / 有限要素法 / 内圧負荷 / 応力-ひずみ曲線 |
Research Abstract |
1)頚動脈内膜組織におけるNa+/Ca2+交換体(NCX)mRNAの発現:内膜剥離術時に得られた内膜サンプルから粥状硬化部と非硬化部を採取し、凍結保存した。組織からTotal RNAを抽出し、RT-PCR法でNCX1の発現を調べた。NCX1 mRNAは粥状硬化部と非硬化部いずれにおいても検出された。2)頚動脈内膜組織におけるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)mRNAの発現:頚動脈内膜の粥状硬化部と非硬化部におけるMMP-1,2,8,9 mRNA発現を1)の方法と同様にRT-PCR法で調べた。粥状硬化部では、MMT-1,2,8,9 mRNAのすべてが発現していた。一方、非硬化部では、MMTL-1,2,9 mRNAは発現していたが、MMT-8 mRNAは検出されなかった。3)生理的内圧負荷による総頚動脈壁の応力・ひずみ状態の解析:剖検症例を用い、円筒状の総頸動脈に0~160mmHgの内圧を負荷した。その断面形状の変化を外径と断面積から算出した。これをもとに応力-ひずみ曲線を作成し、有限要素法を用いて壁に発生するひずみ、応力を解析した。光顕標本を作製し、血管壁の組織成分の変化を調べた。アテロームを有する偏心性肥厚を有する動脈に内圧を負荷した場合、肥厚部は非肥厚部に比べ変形しにくく、壁に発生するひずみ変動量が不均一化した。その結果、偏心性肥厚の肩部付近で高い応力が観察され、また管軸の中心に近いほどひずみ変動量が大きかった。これらの力学特性が、プラーク破裂に関係している可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)