2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590376
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
本間 尚子 Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology, 東京都老人総合研究所, 研究員 (70321875)
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Keywords | 性ステロイドホルモン / 老年病 / 大腸癌 / アルツハイマー病 |
Research Abstract |
近年、性ステロイドホルモンは生殖ホルモンとしてだけでなく、生理機能の維持に重要であることが明らかとなり、種々の老年病の発症にも関わっていることが示唆されている。本研究では特に、estrogen receptor-β(ER-β)およびエストロゲン代謝酵素群というこれまであまり研究されてこなかった視点から種々の解析を行い、老年病との関係を明らかにすることを目的とした。 遺伝子多型解析 1488剖検例(男性799例、女性689例)について、ER-β遺伝子、ESR2のイントロン5に位置するCA repeat遺伝子多型と種々の老年病の発症頻度との関係を調べた。ESR2 CA repeat数により、各alleleを短鎖(S)と長鎖(L)に分け、SS、SL、LLの3群に分類して各群における疾病罹患頻度を比較した。各種老年病のうち、女性における大腸癌発症頻度の、ESR2 CA repeat遺伝子多型による差は顕著で、女性の大腸癌発症におけるESR2 CA repeat遺伝子多型およびエストロゲンの重要性が示唆された。 アルツハイマー病の免疫組織化学的検索 アルツハイマー病13例および対照12例、計25例を対象に、脳の5部位について、ER-α,ER-β1(ER-β,wild type),ER-β2(ER-βのisotypeの一つ),progesterone receptor(PR),androgen receptor (AR),aromataseの免疫染色を行った。ER-α,PR,ARの免疫組織化学レベルでの検出は不可能であった。前頭葉および扁桃体について観察したところ、アルツハイマー病ではER-βの発現が低い傾向にあり、ER-βとアルツハイマー病との関連が示唆された。
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Research Products
(6 results)