2008 Fiscal Year Annual Research Report
容量負荷拡張性心肥大における心筋細胞リモデリングの解析
Project/Area Number |
19590381
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
増田 弘毅 Akita University, 医学部, 教授 (60103462)
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Keywords | 心肥大 / 血流負荷 / 心筋細胞 / 介在板 / 筋節 / 心筋細胞リモデリング / カドヘリン / エコー |
Research Abstract |
容量負荷拡張性心肥大においで心筋細胞の数は一定なので心筋が長くなると筋節の数が増加する。さらに容量負荷の減少は長くなった心筋細胞は筋節の数が減少する。本研究は筋節の数の増大と減少のメカニズムについて形態学的に検討したものである。動物は家兎を使用した。容量負荷は総頸動脈と外頚静脈に内吻合を作成することにより、容量負荷の軽減は内吻合の閉鎖により行った。本研究により「容量負荷により心筋細胞の介在板が2日の周期で幅が広くなることと狭くなることを繰り返している」ことを発見した。この2日の周期に介在板の指入れ構造(Interdigitation)が二回伸び縮みしていた。この繰り返しは正確で一日に一回ずつ生じていた。一回の周期を5つのモードとしてとらえる事が出来た。I-mode : 正常の心。II-mode : Interdigitationは一様に1-筋節の長さとなる。III-mode : 長くなったInterdigitationが連続の二つずつ互い違いに縮み、両側に1-筋節の深さの溝が隙間なく生じ、溝の中に筋節が生じる。この時点で一層の筋節が生じた事になる。IV-mode : 溝を解消しないまま、Interdigitationがふたたび伸び、介在板は溝とInterdigitationの延長がかさなりほぼ2-筋節の巾になる。V-mode : 溝の底にあたる二連のInterdigitation(反対側では三連)の真ん中のInterdigitationが縮まり、溝を解消するようになる。この時縮むと同時に筋節が生じる。筋節が完成すると、周囲のInterdigitationも縮まり、再びI-modeになる。この時点で二層の筋節が生じたことになる。一方、容量負荷を軽減することによる心筋細胞の短縮には丁度逆の変化が生じていた。従って心筋細胞は介在板により一日一筋節増減していると考えられた。
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