2008 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍に対する免疫監視機構におけるDNAM-1の機能の解明
Project/Area Number |
19590382
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田原 聡子 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (20360589)
|
Keywords | DNAM-1 / CD226 / CD155 / CD112 / 免疫監視 / 腫瘍 / メチルコラントレン / DMBA |
Research Abstract |
【研究目的】DNAM4-1は、細胞傷害生T細胞およびNK細胞などのキラーリンパ球に強く発現しており、腫瘍細胞などに発現するリガンド(CD155またはCD112)を認識して接着し、腫瘍細胞に細胞傷害を誘導する。本研究では、腫瘍に対する免疫監視におけるDNAM-1の機能を明らかにするため、DNAM-1遺伝子欠損マウスを用いて腫瘍モデルを検討した。 【方法・結果】野生型およびDNAM-1遺伝子欠損マウスにメチルコラントレンを接種してメ1ラノLマを誘導し、腫瘍発生に対する免疫監視機構におけるDNAM-1の機能について検討した。その結果、メチルコラントレン25μgを皮下に接種するDNAM-1遺伝子欠損マウスでは腫瘍の発生率が充進し、生存率が低下することを見出した。また、DMBAを400g皮膚に塗布することでパピローマを誘導した結果、DNAM-1遺伝子欠損マウスでは生存率が低下することを見出した。メチルコラントレンで誘導した腫瘍組織におけるDNAM-1リガンドの発現をリアルタイムPCRで定量したところ、DNAM-1遺伝子欠損マウス由来の腫瘍において有意に発現が充進していた。このことは、DNAM-1は腫瘍化することで発現が元進するDNAM-1リガンドを認識して腫瘍排除に働くことを示唆している。 【研究意義】キラーリンパ球に発現するDNAM-1は、腫瘍発生に対する免疫監視機構において重要な役割を有することを示した。
|