2007 Fiscal Year Annual Research Report
癌組織の血管新生、転移における変異型p53-FGF-1経路の影響
Project/Area Number |
19590386
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野本 周嗣 Nagoya University, 医学部附属病院, 助教 (40300967)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粕谷 英樹 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00402636)
中尾 昭公 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70167542)
|
Keywords | p53 / FGF1 / 血管新生 / 変異型p53 / 転写活性 |
Research Abstract |
本年度はヒトp53遺伝子で高頻度に変具を認めるhot spotでの変異型p53発現ベクターをsite directed mutagenesisの手法にて作成した。少なくとも5種類のコドン(175,245,248,273,282)についての作成を計画していたが、175,248,273について作成できた。 p53遺伝子がdeletionしているSaos2細胞へのtransfectantの作成を行っているが、現在はまだ、安定した発現の得られるtransfectantは得られていない。 また、各種癌組織での血管新生においてp53-FGF-1経路にも影響することが予想される、VEGF family遺伝子の発現様式を調べた。これまでに、肝癌にてmRNAの発現を定量RT-PCR法にて調べたところ、これまでの知見で得られていなかった結果として、VEGF-B遺伝子の発現が、癌の進展に関与するらしいという結果が得られた。また、反対に、VEGF-C遺伝子では、癌組織で正常組織より発現の低下が認められ、プロモーター領域のメチレーションがこの発現を制御しているという結果が得られている。これらの知見はこれまで報告されていなかったものであり、論文を作成し投稿、あるいは投稿準備の段階である。この知見については、さらに胃癌検体でも検討中である。 FGF-1遺伝子発現の強弱に伴う、FGF-2、VEGF遺伝子発現の変化については、定量RT-PCRにてmRNAレベルで検討しているところである。
|