2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590389
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高原 和彦 Kyoto University, 生命科学研究科, 講師 (90301233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 カヨ 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00115792)
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Keywords | レクチン / 糖鎖 / 樹状細胞 / マクロファージ / 単球 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
<背景>SIGNR3はヒトC型レクチンDC-SIGNマウスホモログの一員であり、先にこれが微生物取り込みレセプターとして働く事を報告した。今年度は、主に作成した単クローン抗体(mAb)を用いてSIGNR3の生体内発現を解析した。 <結果>得られたいくつかのmAbより、他のSIGNRファミリー(SIGNR1、SIGNR4、mDC-SIGN)に交差反応せず、FACSおよびWestern analysisに使用できるclone 4A4を得た。はじめにこれを用いて臓器等におけるSIGNR3の発現を検討したところ、皮膚に最も強く、他に脾臓およびリンパ節にも発現が確認された。皮膚組織の免疫染色およびFACS解析の結果、SIGNR3+細胞は真皮に存在し、CD11b+、MHC II+および一部CD11c+であることからMfまたはDCであると考えられた。そこで、これらの前駆細胞である血液単球におけるSIGNR3発現を、FACSおよびWesternにて検討したところ、単球マーカーCD115+細胞のみに発現が認められた。次に、単球の分化マーカーLy6cの増減に伴うSIGNR3発現を検討したところ、分化の進んだLy6cint-low単球のみに確認された。一方、リンパ節において、SIGNR3+細胞は皮質濾胞間領域他に加えて高内皮細静脈周囲にも存在し、これらはFACS解析によりCD11bhigh-intCD11chigh-intの幾つかの集団に相当すると考えられた。血中単球は、Ly6cの発現低下ともに組織に至りのMf/DCへと分化すると考えられているが、SIGNR3はその過程で発現する事が示唆された。以上のことから、SIGNR3が新たな単球分化マーカーとしても有用であるだけでなく、今後の機能解析により、単球からMf/DCへの分化過程の一端が明らかになるものと期待される。
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