2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590389
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高原 和彦 Kyoto University, 生命科学研究科, 講師 (90301233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 カヨ 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00115792)
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Keywords | レクチン / 糖鎖 / 樹状細胞 / マクロファージ / 単球 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
<背景>SIGNR3はヒトC型レクチンDC-SIGNマウスホモログの一員であり、先にこれが病原性酵母Candida albicansを認識する事を報告している。本年度は作製した抗体の特異性を再確認すると共に、SIGNR3のを発現する単球の生体内における動態を検討した。<結果>昨年度、作製した抗SIGNR3抗体が相同性の高い他のSIGNRファミリー分子と交差反応性を示さない事を確認したが、今年度は更にSIGNR3ノックアウトマウス由来組織および細胞において得られた本抗体が反応しないことをWestern blottingで再確認した。次に、生体よりCD115+単球(Gr-1+およびGr-1-を含む)を調製し、蛍光ラベル後に別個体に移入し、骨髄、リンパ節、脾臓および血液内における挙動を経時的に検討した。その結果、定常状態において、マウスに移入した蛍光標識CD115+単球の内でGr-1+の画分(SIGNR3-)がGr-1-の画分に比較してリンパ節により多く流入する事が明らかとなった。また、リンパ節組織切片の免疫染色によって、移入した単球が高内皮細胞周囲に存在することも確かめた。しかし、脾臓においてはGr-1+とGr-1-画分間の比が血液中のそれと同じであり、リンパ節で認められたGr-1+単球の優先的な流入は確認されなかった。以上の結果より、従来、Gr-1+の単球画分が炎症時に組織に流入し樹状細胞/マクロファージに分化すると考えられていたが、Gr-1+単球は定常状態においてもリンパ節に到達し樹状細胞/マクロファージに分化している可能性が示唆された。
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