2007 Fiscal Year Annual Research Report
成熟型切断と分泌型産生による接着分子SgIGSF/TSLC1の機能制御
Project/Area Number |
19590391
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
伊藤 彰彦 Kobe University, 医学系研究科, 准教授 (80273647)
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Keywords | 免疫グロブリンスーパーファミリー / マスト細胞接着分子 / 肺癌抑制因子 / シナプス誘導接着分子 / Nectin-like molecule-2 / Shedding / スプライシング |
Research Abstract |
[緒言]SgIGSF/TSLC1は、細胞外ドメインに3ケのIgループを有する分子量約100kDaの接着分子で、スプライシングバリアントとして分子量55kDaの分泌型アイソフォームが存在する。NIH3T3細胞は内在性にSgIGSF/TSLC1を発現していないが、SgIGSF/TSLC1の全長cDNAを遺伝子導入しSgIGSF/TSLC1のC末抗体でウエスタンブロットすると、100kDaの他に35kDaと15kDaにバンドが検出される。本研究ではこのバンドの由来を検討した。 [結果](1)35kDaと15kDaのバンドはN末認識抗体では検出されなかった。(2)SgIGSF/TSLC1全長cDNAを遺伝子導入したNIH3T3細胞の無血清培養上清をN末認識抗体でウエスタンブロットすると75kDaと60kDaにバンド検出した。(3)この75kDa分子はN型原びO型糖鎖切断酵素処理によって、それぞれ65、55kDaまで分子量が減少した。(4)一方、60kDaのバンドはN型糖鎖切断酵素処理で50kDaに移動したが、O型糖鎖切断酵素処理では移動しなかった。この結果は分泌型アイソフォームの場合と同じであった。 [結語]SgIGSF/TSLC1は細胞外領域の傍膜貫通領域に13個スレオニンが連続する部分があり、この部位で高度にO型糖鎖修飾を受けていると考えられている。今回の結果から、SgIGSF/TSLC1はスレオニン繰り返し配列のすぐN末側とC末側の2か所でsheddingを受けていると考えられた。Sheddingの結果細胞外に放出されるN末側断片は2種類あり、両者はO型糖鎖修飾の有無の点で構造的に異なり、小さい方の分子は分泌型アイソフォームとほぼ相同の構造を有すると考えられた。 なお、SgIGSF/TSLC1は別名にSynCAM、Nec1-2、RA175、IGSF4等があったが、混乱を避けるため最近CADM1(Cell adhesion molecule-1)という名称に統一された。
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Research Products
(4 results)