2008 Fiscal Year Annual Research Report
中皮腫分子標的診断治療へ向けての新しい抗原単離法による抗原の同定
Project/Area Number |
19590392
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
上中 明子 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (50273967)
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Keywords | がん抗原 / 宿主免疫応答 / 悪性中皮腫 / SEREX / 抗体 / 診断マーカー |
Research Abstract |
1.本年度あらたに悪性中皮腫細胞株より、mRNAを抽出しcDNAライブラリーを作成した。 2.上記cDNAライブラリーと、前年度に作成したcDNAライブラリーを用いて悪性中皮腫患者胸水中に存在する抗 体と反応するクローンのスクリーニングを行った。 3.1.4×10^5のクローンおよび8×10^4のクローンの一次スクリーニングで16の陽性クローンを得た。二次、三次とスクリーニングを重ね,そのうち高い特異性を有する4a-1aおよび4c-1aの2クローンを得た。 4.クローニングした抗原遺伝子は528bpと560bpであり、塩基配列解析を行った。 5.塩基配列情報をもとにGenebankを用いた核酸データベースのホモロジイー検索を行った結果、4a-1aはヒトクロモソーム6の6 p24.2に位置するPAK1 interacting protein1 (PAK1IP1)の5'側1〜528をコードするクローン であることが判明した。一方、4c-1aは、ヒトクロモソーム5の5q31-q33に位置するリボソーマルタンパクS14(RPS14)の5'側40〜560bpをコードする遺伝子であることが判明した。RPS14には3種のバリアントが存在するが、その共通部分をコードする遺伝子であることが判明した。 6.これらの遺伝子をpQE30発現ベクターに組み込みコンストラクトを作成し、組み換えタンパクの作製を行い、患者血清反応をELISA法で解析する。また組織染色等に使用するモノクローナル抗体の作成実験を進めている。
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