2007 Fiscal Year Annual Research Report
MHC class II提示内在性抗原のFKBP51依存性新規抗原提示機構の解析
Project/Area Number |
19590399
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐原 弘益 Sapporo Medical University, 医学部, 講師 (10260762)
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Keywords | FKBP51 / MHC class II / antigen presentation / Hsp90 / FK506 |
Research Abstract |
我々は免疫抑制剤tacrolimus(FK506)には樹状細胞(以下、DC)に対する内在性MHC class II拘束性マイナー抗原提示阻害作用があることを見出し、その分子機構においてはFK506の細胞内受容体、FK506 binding protein(FKBP)51が関与していることを見出した(研究発表1)。また、上記の知見から派生した抗原提示機構の解析の一助としてheat shock protein(Hsp)と抗原ペプチドの結合親和性を定量化に成功したことも見出した(研究発表2)。本年度においては、FKBP51分子の欠損細胞株を作成し、FKBP51がHSP90やdyneinなど他の分子と複合体を形成しているかどうか、FKBP51分子の欠損細胞株における抗原ペプチドの細胞内蓄積などを調べた。 そのために、まず我々はFKBP51-shRNAを用いて安定的にFKBP51分子が欠損している細胞株を作成した。その欠損株に抗原遺伝子を導入し、抗原特異的なCD4 T cell hybridomaを用いて抗原提示能を調べた結果、抗原提示が阻害され、FKBP51分子における抗原提示への関与を改めて確認した。そして、FKBP51抗体を用いた免疫沈降ではHsp90が共沈してくるのを観察したが、現在のところdyneninとの共沈は確認できなかった。その理由として、用いたFKBP51の抗体の親和性などに中心に現在検討中である。 複合体からの抗原ペプチドの同定であるが、抗体を用いた複合体形成の確認が取れなかったため、本年度は予備試験として、細胞全体の分画からの抗原ペプチドの抽出を試みた。液体クロマトグラフィーの分画による抗原ペプチド分画の同定までは出来ず、検討中である。しかし、対照区である合成ペプチドをクロマトグラフィーによって分画には成功したので、実験自体のプロトコールには問題ないと思われた。
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