2007 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックマウスを用いたmicroRNAの発生・発癌における機能解析
Project/Area Number |
19590408
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
岩本 隆司 Chubu University, 生命健康科学部, 教授 (60223426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 昌志 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (10281073)
市原 正智 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (00314013)
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Keywords | microRNA / トランスジェニックマウス / 発生 / 発癌 |
Research Abstract |
1.研究目的 microRNA(miRNA)は22塩基ほどのタンパクをコードしない小さなRNAであり、標的遺伝子のタンパクへの翻訳抑制や転写制御を行う新しいRNAファミリーとして線虫において今から十数年前に同定された。今世紀に入り、miRNAが哺乳類でも、発生や癌をはじめとする多くの生命現象において重要な働きをすることが明らかになってきた。そこで我々はmiRNAを恒常的に発現するトランスジェニックマウスを作製して、マウス生体でのmiRNAの発生、発達や発癌に対する影響を検討することを試みた。 2.実施した研究の概要と得られた成果 (1)miRNAを発現するDNAベクターを複数種類構築してそれらを培養細胞に導入してノザンブロット法でmiRNAが発現されることを確認した。 (2)上記DNAベクターを中部大学胚操作室にてマウス受精卵にマイクロインジェクション法で注入した。それらの卵を偽妊娠マウスの卵管に移植して、得られた仔マウスの尾からDNAを抽出して注入miRNAの染色体への組み込みをPCR法にて解析した。その結果、現在までに計20匹以上のmiRNAトランスジェニックの親マウスが得られ、そのうち少なくとも10匹には子孫への遺伝子の伝達が確認されて系統化に成功した。また、残りのマウスは遺伝子の伝達が現在まで確認されていなか、不妊であった。 3.今後の実験計画 (1)これらのマウスの各組織におけるmiRNAの発現をノザンブロット法で解析してmiRNA高発現トランスジェニックマウスを樹立する。 (2)高発現マウスにおいて発生、発達、行動などを詳細に観察してmiRNAの恒常的な発現が生体に及ぼす効果を観察する。 (3)今後これら高発現系のマウスにおいて発癌に対するmiRNAの影響を検討する予定である。
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