2009 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックマウスを用いたmicroRNAの発生・発癌における機能解析
Project/Area Number |
19590408
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
岩本 隆司 Chubu University, 生命健康科学部, 教授 (60223426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 昌志 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (10281073)
市原 正智 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (00314013)
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Keywords | microRNA / トランスジェニックマウス / 発生 / 発癌 / 大腸癌 |
Research Abstract |
2種類のmicroRNA(以下miRNA)をひろくユビキタスに発現するプロモーターであるCAGを用いて、それぞれ単独あるいはオワンクラゲ蛍光物質であるGFPの遺伝子との融合遺伝子にして、トランスジェニックマウスを作成して、強く発現をする系統をそれぞれ2系統、計8系統をライン化することに成功した。 発現は特に腸管や脂肪細胞など内在性の発現が強い組織で強く、その他、脳、腎臓、筋肉、肝臓、皮膚などでも異所的に強い発現が認められた。その内2系統を家族性大腸癌モデルマウスであるAPC^<min>マウスと交配させたところ小腸の腫瘍発生は有意に抑えられた。これらの腫瘍で導入miRNAの発現をノザンブロット法、リアルタイムPCR法で確認したところ非常に強く発現していた。また、現在まで合成miRNAを培養細胞に過剰発現して同定されてきた複数の標的遺伝子の発現をウエスタンブロット法で解析したところ面白いことに、ある一つの分子のタンパクの発現の低下が多くの個体で確認された。さらに興味あることにこれらの腫瘍ではプロトオンコジンであるc-Mycの発現が低下していた。よってこのシグナル経路がこれらmiRNAの生理的な条件下での標的であると考えられ、トランスジェニックマウスにおける腫瘍発症抑制はmiRNAを介するc-Mycの発現抑制を介している可能性が示唆された。 また、これらのマウスの心臓・腎臓はコントロールのリッターメイトに比べて明らかに肥大していた。現在これらの組織からRNAを抽出してマイクロアレイにて分子病理機構に関与している候補分子を同定中である。
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Research Products
(2 results)