2007 Fiscal Year Annual Research Report
交感神経系神経堤幹細胞及び神経芽腫cancer stem cellsの分離・同定
Project/Area Number |
19590409
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
黒川 景 Aichi Medical University, 医学部, 講師 (90399030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩下 寿秀 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (00283432)
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Keywords | 癌幹細胞 / 神経芽細胞腫 / 交感神経神経堤幹細胞 |
Research Abstract |
神経芽腫の起源となる副腎髄質と交感神経節は、未分化な神経堤幹細胞から交感神経細胞とシュワン細胞の2種類の細胞に分化する。神経芽腫についても、神経細胞とシュワン細胞のマーカーもつ細胞が混在し、それらが1つの起源を持つことが示されているが、そのcancer stem cellに相当する細胞の性質は十分に明らかになっていない。我々は、neurosphere様の増殖形態を示す浮遊細胞と接着性のシート状増殖を示す細胞との2つのpopulationの見られる神経芽腫細胞株SMS-KCNRに注目し、神経芽腫cancer stem cellsの分離・同定を試みることとした。Serumの濃度を上昇させるに従い、sphere様の細胞が減少し接着細胞が増加することから、2つのpopulationを分離して培養したところ、sphere様の細胞を低濃度のserumで、接着性の細胞を高濃度のserumで安定的に維持できることが確かめられた。末梢神経細胞のマーカーであるperipherinの蛍光染色では、接着細胞には強い陽性像を示すのに対し、sphere様の浮遊細胞での発現は弱く、細胞培養の条件下ではsphere様の増殖を示す細胞が、より未分化な細胞であることが示唆された。Neurosphere様の浮遊細胞と接着性の細胞について、FACSでの検討の可能な約150の表面マーカーのRNAレベルでの発現をreal time PCRでスクリーニングした。その結果、integrinα4は浮遊細胞で約2.5倍、CD105は接着細胞で約5倍の発現が見られた。これらのマーカーを手掛かりに、神経芽腫cancer stem cellsの分離・同定方法、およびそのニッチについて解析中である。
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