2008 Fiscal Year Annual Research Report
KIT遺伝子改変動物を用いた消化管運動ペースメーカー細胞に発現する分子の解析
Project/Area Number |
19590411
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
礒崎 耕次 Hyogo College of Medicine, 医学部, 非常勤講師 (00425117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 誠一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50218856)
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Keywords | 多発性GIST / ノックインマウス / カハールの介在細胞 / c-kit遺伝子 / 生殖系列 / 機能獲得性突然変異 / exon17 |
Research Abstract |
カハールの介在細胞(ICC)は消化管運動のペースメーカーの役割をしている。ICCにはc-kit遺伝子産物である受容体型チロシンキナーゼ(KIT)が発現し、KITはICCの分化、増殖に重要な働きをしている。我々は消化管筋層に発生するGastrointestinal stromaltumors(GIST)がICCを細胞起源としていること、また、GISTに発現するc-kit遺伝子に突然変異がみられることが多いことを明らかにした。この突然変異は、KITの恒常的な活性化を起こす機能獲得性変異であることも明らかにした。さらに、我々は、germlineレベルでc-kit遺伝子の機能獲得性変異を有する家族性GISTを発見し、家族例においてGISTが多発するだけでなく、ICCの過形成がみられることも明らかにした。本研究では、我々が発見した家族性GISTにおいてみられたc-kit遺伝子の機能獲得性変異をもつマウスを作成し、発生するGISTおよびICC過形成細胞間での遺伝子発現の差を調べ、c-kit遺伝子以外にGISTの腫瘍発生機構に関与する分子をみつける、また、ICCに発現する分子を調べ、ICCを介した消化管蠕動運動の調節機構を明らかにすることを目的とする。まず、KITのコドン820番Asp to Valのgermlineレベルの機能獲得性変異をもつGISTのマウスモデルの作成を試み、ノックインマウスの作成に成功した。ノックインマウスにおいて、胃、大腸の筋間神経叢レベルのICCsの過形成、盲腸部にGISTの発生を確認した。ノックインマウスにみられたGISTおよびICC過形成細胞よりRNAを抽出し、cDNAライブラリーの作成することを目的として、GISTおよびICC過形成細胞の株化を試みたが、困難であったため、1)ノックインマウスより摘出したGISTより直接RNA抽出を行った。2)ノックインマウスの大腸をカバーグラスを用いて機械的に粘膜剥離し、collagenases処理後、回収した細胞をFITCで標識した抗KIT抗体に反応させ、KIT陽性細胞(ICC過形成細胞)をセルソーターを用いて回収しRNAを抽出した。ただちに、これらのRNAを逆転写酵素を用いてcDNAに変換した。現在、cDNAライブラリー作成中である。
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Research Products
(6 results)