2008 Fiscal Year Annual Research Report
インターロイキンIL-27の血管新生阻害による抗腫瘍作用の解析
Project/Area Number |
19590418
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
清水 本武 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (10124463)
|
Keywords | 癌 / 免疫学 / 抗腫瘍作用 / インターロイキン27 / 血管新生阻害 |
Research Abstract |
IL-27は最近同定された新規IL-6/IL-12ファミリーメンバーで、EBI3とp28から構成されるヘテロダイマーである。 IL-27はナイーブCD4+T細胞の細胞増殖を誘導し、IL-12と相乗してIFN-γを産生する。そこで、IL-27による抗腫瘍作用について検討している。高転移性で低抗原性の悪性メラノーマB16F10にIL-27cDNAを導入した腫瘍において、IL-27は強い抗腫瘍効果を示した。IL-27 cDNA導入B16F10をNOD-SCIDマウスに静脈投与して肺転移を検討すると、抗腫瘍効果は低下するが、保持していた。次に、血管新生阻害作用を検討すると、IL-27は鶏卵漿尿膜法およびマウス背部皮下法で強い血管新生阻害作用を示した。従って、IL-27の血管新生阻害作用が抗腫瘍効果に重要であること示唆された。一方、前述のようにIL-27はIL-12と相乗してIFN-γを産生することから、抗腫瘍免疫の増強による抗腫瘍効果が想定されているが、その詳細な作用機構は不明である。本年度は、IL-27の抗腫瘍免疫に及ぼす組織適合抗原の役割について検討した。腫瘍をマウスの皮下に移植すると、IL-27導入B16F10腫瘍はNeo導入B16F10腫瘍より増殖が非常に抑制され、IL-27の強い抗腫瘍作用が認められた。腫瘍移植3週間後に腫瘍部位を採取し、RNAを抽出した。PCR法で、IL-27mRNAの発現を検討すると、IL-27導入腫瘍はNeo導入腫瘍より、IL-27mRNAが250倍多く発現した。次に、組織適合抗原mRNAの発現を検討すると、IL-27導入腫瘍はNeo導入腫瘍より増加した。従って、IL-27は宿主に作用して、組織適合抗原の発現を上昇させ、Th1型の抗腫瘍免疫を増強し、抗腫瘍効果を示す可能性が示唆された。今までの実験結果を総合すると、IL-27は血管新生阻害作用と免疫増強作用によって、抗腫瘍作用を発現すると示唆される。
|
-
-
[Presentation] Analysis of antitumor activity of IL-272008
Author(s)
Shimizu, M., Sato, M., Ogura, K. Nishito, Y., Takeda, Y., Mizuguchi, J, Yoshimoto, T
Organizer
The 67^<th> Annual Meeting of the Japanese Cancer Association
Place of Presentation
Nagoya, Nagoya Congress Center
Year and Date
20081028-20081030
-
-
-
-
-
-
-