2007 Fiscal Year Annual Research Report
有鉤嚢虫システインプロテアーゼ:in situにおける発現様態の組織化学的解析
Project/Area Number |
19590423
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
山崎 浩 National Institute of Infectious Diseases, 寄生動物部, 室長 (00138207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 亮 旭川医科大学, 寄生虫学講座, 教授 (70054020)
中谷 和宏 旭川医科大学, 実験動物施設, 准教授 (70109388)
迫 康仁 旭川医科大学, 寄生虫学講座, 助教 (40312459)
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Keywords | 有鉤嚢虫 / システインプロテアーゼ / カテプシンL / カクテルペプチド抗原 / 抗カテプシンL抗体 |
Research Abstract |
有鉤嚢虫システインプロテアーゼ(以下、カテプシンL)の組織レベルにおける発現様態を調べるために、平成19年度は材料収集、カテプシンLの構造解析ならびに抗カテプシンL抗体作成を主として行った。材料である有鉤嚢虫はその流行が見られる中国青海省西寧市において採取を試み、若干の材料を得ることができ、組織化学的解析のための標本を作製した。一方、有鉤嚢虫のcDNA libraryよりカテプシンL遺伝子をクローン化し、その塩基配列からカテプシンLの一次構造を推定した。次に、カテプシンLに対する抗体作成のために、カテプシンLのタンパク質情報に基づき、プロテインアドバイザーを用いて抗原決定部位(エピトープ)検索を行った。その結果、カテプシンLの高次構造から、207-221番目のアミノ酸15残基からなる領域(Cath L,207-C-221)と322-339番目のアミノ酸18残基からなる領域(Cath L,322-C-339)を抗体作成用エピトープとした。各領域のアミノ酸配列に従って、合成ペプチドを作製し(前者の分子量1,682、後者の分子量2,030)、さらに、これら2種の合成ペプチドはキャリア蛋白としてKLHとカップリングさせた。抗体産生は当初の多抗原性ペプチド抗原を作製するという計画を若干修正し、2種の合成ペプチドを混ぜたカクテルペプチド抗原として家兎に免疫することとし、抗血清を得た。組織化学的解析に用いる抗カテプシンL抗体はカクテルペプチドカラムを用いて精製し、最終的に44.0mgの精製抗体(Tsol CATL)を得た。この抗体はSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によって純度検定を行うと同時に、酵素抗体法(ELISA)によってカテプシンLに対して高い抗体価を示したことから、本研究の主たる課題である組織化学的解析に用いる目処がついた。
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