2007 Fiscal Year Annual Research Report
寄生虫由来免疫抑制因子の機能解析と関節リウマチモデルへの医学応用研究
Project/Area Number |
19590427
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
福本 宗嗣 Tottori University, 医学部, 教授 (60111126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入子 英幸 鳥取大学, 医学部, 助教 (60346674)
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Keywords | 寄生虫 / マンソン裂頭条虫 / 免疫抑制因子 / マクロファージ / 遺伝子発現抑制 / ケモカイン |
Research Abstract |
寄生現象成立のために、寄生虫は宿主免疫からの回避機序を獲得していると考えられている。我々は、マンソン裂頭条虫擬充尾虫(幼虫)の排泄・分泌物質(ES物質)がLPS刺激による活性化マクロファージの一酸化窒素合成酵素(iNOS)やTNF-α、IL-1βなどのサイトカインの遺伝子発現を抑制することを見いだし、精製した分子量90kDaの免疫抑制因子ES90を得た。このアミノ酸情報に基づいて遺伝子をクローニングするため、RT-PCR法によってDNA断片を得るよう検討中である。また、今回ES物質中の130kDaの免疫抑制因子ES130を精製した。そして、ES130および未精製のES物質(crude ES)が活性化マウス腹腔マクロファージとRAW264.7細胞のRANTES(CCケモカイン)、MIP-2、IP-10(CXCケモカイン)の遺伝子発現に及ぼす影響についてsemi-quantitative RT-PCRを用いて検討した。ES130またはcrude ESの前添加によってLPS刺激3時間後のRANTES、MIP-2、IP-10の遺伝子発現を抑制した。LPS刺激8時間のRANTESの遺伝子発現は抑制していなかったが、24時間後のELISAによる測定では、産生抑制が認められた。また、LPS刺激8時間後のMIP-2、IP-10の遺伝子発現もLPS刺激24時間後の培養液中のMIP-2、IP-10の産生も抑制されており、幼虫分泌因子によって寄生虫の周囲への好酸球、好中球、単球やTh1細胞の遊走が抑制されていると推察された。
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