2008 Fiscal Year Annual Research Report
腸管出血性大腸菌による脂質ラフトを利用した免疫応答制御機構の解析
Project/Area Number |
19590445
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安倍 裕順 Osaka University, 微生物病研究所, 助教 (00379265)
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Keywords | 感染症 / 腸管出血性大腸菌 / 脂質ラフト |
Research Abstract |
当該研究は腸管出血性大腸菌の感染成立時に宿主細胞膜上の脂質ラフトに埋め込まれるNleH蛋白質を中心に免疫応答制御の分子機構を明らかにすることと機能未知のIII型分泌エフェクター分子群の中から免疫応答に関与する分子を分離同定し、その機能の詳細を明らかにすることを目的とした。 免疫沈降法と質量分析によりNleH蛋白質と相互作用する分子の分離同定を試みたが、宿主細胞由来のタンパク質を同定することは困難だった。一方、阻害剤およびリン酸化レベルの検討からNleHによるNF-kB活性化にp38キナーゼの関与が強く示唆される結果が得られた。 一方、腸管出血性大腸菌0157:H7の保持する39のエフェクター分子群の中から相同性の非常に高いものを除いた26種類のエフェクター分子群を選別し、FLAG融合遺伝子を大量発現を誘導できる株を構築した。検出できるレベルでの発現が認められたものについてNF-kBの活性化の影響について検討したが、腸管上皮細胞由来Caco-2細胞株に対しては顕著な影響は認められなかった。さらに、感染細胞の分画を行ったところ、ほとんどのエフェクター分子は膜画分へ移行することが観察された。
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