2008 Fiscal Year Annual Research Report
我が国の難培養性アナプラズマ症起因細菌のゲノム部分構造解析と簡易探索ツールの開発
Project/Area Number |
19590451
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
大橋 典男 University of Shizuoka, 食品栄養科学部, 教授 (10169039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増澤 俊幸 千葉科学大学, 薬学部, 教授 (10181645)
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Keywords | 遺伝子 / 感染症 / ゲノム / 細菌 / 微生物 |
Research Abstract |
本研究では、新興感染症「アナプラズマ症」の病原体である難培養性Anaplasma phagocytophilumのゲノム配列解読を視野に入れ、自然界に生息するマダニからのA. phagocytophilumゲノム部分構造を明らかにすることを目的とした。A. phagocytophilumには、p44/msp2主要外被膜蛋白遺伝子群による抗原変異の存在が知られている。これは、ゲノム上に散在する多数のp44/msp2相同性遺伝子カセット群がゲノム上の1箇所にあるp44/msp2主要発現領域(約7kb)で組換えられ、生体内でA. phagocytophilumの抗原変異を引き起こすものである。このゲノム上のp44/msp2発現領域構造は、米国と欧州のA. phagocytophilumで明らかになっているが、アジア地域のA. phagocytophilumの報告はない。19年度は、静岡県および東北地方で採集したマダニ唾液腺DNAからp44/msp2発現領域の増幅に成功し、それぞれの塩基配列の解読を行った。20年度は得られたp44/msp2発現配列を基に、その上流と下流を解析したところ、欧米のA. phagocytophilumの上流側に存在するomp-INと下流側のrecA偽遺伝子が、東北地方のマダニからのA. phagocytophilumには認められるが、静岡県のマダニからのA. phagocytophilumには見られなかったことが判明した。また、東北地方のomp-INとrecA偽遺伝子のアミノ酸配列を欧米のものと比較したところ、東北のomp-INは欧州の動物由来株と、また東北のrecA偽遺伝子は米国の患者由来株と、それぞれ最も高い相同性を示すことが判った。この結果は、東北地方のはA. phagocytophilum発現領域周辺の類似性において、米国のものや欧州のものとshareしていることを示唆している。さらに、p44/msp2のN末端保存領域を標的としたリアルタイムTaqMan-PCRによる簡易探索法について検討した結果、改良は必要なものの、A. phagocytophilumの検出には有効であることが判明した。
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Research Products
(14 results)