2007 Fiscal Year Annual Research Report
PCR-RFLP法による簡便・迅速な腸管出血性大腸菌の分子疫学的比較解析法の開発研究
Project/Area Number |
19590455
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山崎 伸二 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 教授 (70221653)
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Keywords | 腸管出血性大腸菌 / 志賀毒素 / PCR-RFLP / ファージ / 分子疫学 |
Research Abstract |
我が国で分離され、国立感染症研究所にてパルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)により異なるPFGEパターンを示した様々な血清型のSTEC200株(0157;100株、026;50株、0111;10株、その他の血清型40株)をPCR-RFLP法で解析した。志賀毒素ファージ(Stx-phage)のRegionVを標的としたPCRで、約8-14kbの1本のバンドが60株で、約6-14kbの2本のバンドが93株で、約7-13kbの3本のバンドが14株で得られた。しかしながら、33株のSTECからは増幅断片は得られなかった。本PCRで増幅断片が得られた株数を血清型別で見ると、0157で100株中95株(95%)、026で50株中48株(96%)、0111で10株中5株(50%)、他の血清型で40株中19株(47.5%)であった。0157と026では増幅バンドが得られた割合は高かったが、それ以外の血清型では約50%とあまり高くなかった。すなわち、Stx-phageのRegionVにはさらなる多様性があることがわかった。一方、得られた増幅断片がStx-phageに由来するものであるかを確認するため、一方のPCRプライマーをstx遺伝子のAサブユニットの5'末端側に結合するものを用いて確認したところ、全てのPCR産物が志賀毒素ファージ由来で無いことがわかった。特に、026で陽性率が96%と非常に高かったが、Stx2-phage由来の増幅断片が得られず、Stx-phage以外の遺伝子を増幅している可能性が考えられた。また、その他の血清型では、Stx1-phage由来の増幅断片は得られたが、Stx2-phage由来の増幅断片が得られなかった株がいくつか存在した。今後、増幅断片が得られなかったStx2-phageのRegion Vの解析を行い、増幅断片が得られなかった理由について明らかにしていく予定である。
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Research Products
(3 results)