2007 Fiscal Year Annual Research Report
侵入因子の制御遺伝子を破壊した動物モデルによる白癬菌病原性発現過程の解析
Project/Area Number |
19590457
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
槇村 浩一 Teikyo University, 医学部, 准教授 (00266347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 剛 帝京大学, 医真菌研究センター, 講師 (80424331)
西山 彌生 帝京大学, 医療技術学部, 准教授 (10082231)
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Keywords | 白癬 / 形質転換 / 病原性 / プロテアーゼ / 選択マーカ / アグロバクテリウム法 |
Research Abstract |
我々の構築した遺伝子破壊株と野性株を用いた白癬モデル動物による比較対照実験により、白癬の病態と感染成立に関わる侵入因子の役割について検討する為に必要な実験系を作出した。すなわち、白癬菌の宿主への感染に際して影響するタンパク質の関与の詳細に解析するために、実験動物を用いたin vivoの解析を以下の通り行った。モデル実験:1)上述の方法で作出し、表現形質を確認した遺伝子破壊株と野性株より感染型小分生子を培養により回収した。2)モルモット白癬モデル(背部:体部白癬モデル)に遺伝子破壊株および野性株分生子を接種した。3)感染の病期を追跡するために、感染後1日、3日、7日10日および14日において感染巣を肉眼的に観察し、感染強度を判定した。4)同日に皮膚検体を採取し、病理組織ならびに超微細学的検討に供した。5)感染成立の度合いを検討するために、感染後14日の個体相当数由来皮膚検体を培養に付すことによって感染菌数を測定した。また、この際に用いた形質転換体を効率よく作出する目的で、形質転換法としてのアグロバクテリウム法を開発し、その効率を格段に飛躍させることに成功した。併せて、選択マーカーとしてのG418を研究し、多重形質転換体選択が可能となった。以上は各々学会発表ならびに論文発表を行った。感染14日目に感染菌数測定をかねて逆培養した起因菌を用い、菌学的検討を加えることによって、起因菌を保証するとともに感染によって与えられる表現形質上の影響を検討した。また、感染後のすべてのサンプリング皮膚検体に対して、皮膚全層の病理組織標本を作製することによって、角質層内に侵入した白癬菌菌体の形態学的変化を、無感染コントロール並びに遺伝子破壊株と野性株との比較対照により検討した。以上の検討により、本研究の1年目における目的は概ね達成されたものと考える。
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Research Products
(7 results)