2008 Fiscal Year Annual Research Report
侵入因子の制御遺伝子を破壊した動物モデルによる白癬菌病原性発現過程の解析
Project/Area Number |
19590457
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
槙村 浩一 Teikyo University, 医学部, 准教授 (00266347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 剛 帝京大学, 医真菌研究センター, 講師 (80424331)
西山 彌生 帝京大学, 医療技術学部, 准教授 (10082231)
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Keywords | 白癬 / 形質転換 / 病原性 / プロテアーゼ / 選択マーカ / アグロバクテリウム法 |
Research Abstract |
我々の構築した遺伝子破壊株と野生株を用いた白癬モデル動物による比較対照実験により、白癬の病態と感染成立に関わる侵入因子の役割について検討する為に必要な実験系を検討してきた。しかしながら、PEG法やエレクトロポレーション法等の従来法による形質転換法では、白癬において充分な形質転換効率が得られないため、研究遂行上大きな問題となっていた。そこで、世界に先駆けて白癬菌Trichophyton mentagrophytesに対する効率的な形質転換法の研究開発を行った。 そこで、植物病原体(細菌)として知られている、Agrobacterium tumefaciensを仲介とした遺伝子系質転換法(アグロバクテリウム法)の研究開発を発想した。植物および近縁生物種において、本菌を用いた形質転換においては遺伝子相同組間換えの頻度が高い事が知られていることから、本法を白癬菌に適応することで、任意の遺伝子のノックアウト、遺伝子相補、および過剰発現等のアッセイが可能となることにより、当該遺伝子の病原性に関する研究等が飛躍的に進展できる。 研究代表者等は、A.tumefaciens DNAに対して、白癬菌標的遺伝子を組み換え、この組換えDNAを有するA.tumefaciensと白癬菌を共培養することによって、相同組換え機構を利用した標的部位に対する遺伝子の導入に成功した。本研究によって、白癬菌に対する形質転換効率は飛躍的の向上し、その病原因子解析に対するインパクトは極めて大きいものと言える。ただし、この段階においては細菌ならびに酵母に対する形質転換効率に比較すると、未だに充分とはいえない。そこで、次年度にはさらに形質転換効率を上げるべく、宿主遺伝子の改変による新しい形質転換システムを構築し、これを用いた動物実験系によって本菌病原因子としての侵入因子の検討を完成する。
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Research Products
(6 results)