2007 Fiscal Year Annual Research Report
MHC-I単鎖三量体を用いた抗HTLV-I免疫応答の解析と免疫療法の開発
Project/Area Number |
19590466
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大橋 貴 Hokkaido University, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (10282774)
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Keywords | MHC-I / Single chain trimer / HTLV-I / CTL / Animal model / Tax / Epitope / rat |
Research Abstract |
ラットHTLV-I感染モデルにおける抗HTLV-I免疫を細胞レベルで解析することを目的とし、F344ラット特異的MHC-IであるRT1-Al拘束性エピトープを認識するT細胞を検出する系を確立した。方法としては,テトラマー法に代わるものとして最近報告されてきているMHC-I/β2マイクログロブリン/エピトープペプチドをコードする塩基配列を1つの遺伝子として繋げ、融合蛋白として発現されるMHC-I単鎖三量体を用いた。MHC-I単鎖三量体は細胞表面に発現させることにより、抗原性の無い細胞を抗原提示細胞に変えることが可能であるとともに、MHC-IのC末端にEGFP遺伝子を繋げることでテトラマー法と同様にエピトープ特異的T細胞を検出できるという利点を持つ。既に単離しているRT1-Al、ラットβ2マイクログロブリン遺伝子、およびHTLV-I Taxのエピトープ配列を結合して発現ベクターに導入した後に,T細胞の活性化を指標に発現蛋白のTCR認識を検証した。その結果、コントロールのHIV-1 Envエピトープを発現するMHC-I単鎖三量体と比較してTax発現MHC-I単鎖三量体がTax特異的CTLを刺激しIFN-γ産生を誘導することが確認され、構築したMHC-I単鎖三量体がTCRを認識可能であることが示された。次にMHC-I単鎖三量体/EGFP融合蛋白発現ベクターを構築し,Tax特異的CD8陽性T細胞の検出を試みたところ、CTL細胞株とともに、HTLV-I感染ラット末梢血由来のT細胞が検出可能であることが確認できた。本研究の成果は、今後HTLV-I特異的免疫誘導や、感染個体におけるウイルス特異的T細胞の動態解析に有用であると考えられる。
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