2008 Fiscal Year Annual Research Report
水痘・帯状疱疹ウイルス糖蛋白質gHの新規レセプターの同定
Project/Area Number |
19590470
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
大黒 徹 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(医学)ウイルス学, 准教授 (80291409)
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Keywords | VZV / glycoprotein H |
Research Abstract |
水痘・帯状庖疹ウイルス(VZV)は単純ヘルペスウイルス(HSV)と遺伝子産物の類似性は高いが、HSVの侵入に必須なgDをVZVはコードしていない。HSV gDはgHと複合体を形成し、宿主細胞膜上に存在するHVEMと結合することで侵入する。一方、VZV gHは抗体によりウイルス感染を中和できることから、医学的にも重要視さている。VZV gHの精製に際し、抗gHモノクローナル抗体を結合させたカラムを作成し、これにVZV感染細胞抽出液をアプライ後溶出し、抗gH抗体と反応性のある蛋白質を精製した。精製画分の電気泳動パターンから分子量約100kDa付近のgHと思われるメジャーバンドと、15kDa付近にも蛋白質が検出され、後者はgHと複合体を形成するgLと考えられた。この精製画分をEAHセファロースに結合させgHアフィニティーカラムを作成した。VZV感染HEL細胞の抽出液をこのカラムにアプライし、1M NaCl, 1.5M NaCl,グリシンHCl (pH2,8), 50%エチレングリコールを含む緩衝液で溶出を試みた。SDS-PAGEの解析により、50kDa-80kDaにかけて複数の蛋白質のバンドが検出された。また、ウエスタンブロッティングから60k, 65k, 80kの各バンドが反応性を示し、これらがウイルス由来蛋白質(gB,gE)である可能性が示唆された。さらにこれらの蛋白質はS-S結合で複合体を形成し、非還元状態では200kDaといった大きな複合体を形成していることがわかった。宿主由来の蛋白質でgHと相互作用を持つものを分離精製し同定を行うため、非感染HEL細胞の抽出液をgHカラムにアプライしVZV gHと反応性のある蛋白質を分離精製した。このカラムから溶出されてきた100kDaと45kDaの蛋白質についてペプチドシークエンサーに供し同定を試みたが解析できなかった。この原因はN末端のブロッキングによるものと考えられため、0.6N HCl処理にてN末端Formyl基のデブロッキング後、解読を試みたが解析不能であった。そこでDIGEのシステムで2次元電気泳動を行い解析した。
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Research Products
(4 results)