2007 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスにより脂肪合成活性化と関連病態の解析
Project/Area Number |
19590473
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森石 恆司 Osaka University, 微生物病研究所, 准教授 (90260273)
|
Keywords | C型肝炎ウイルス / HCV / C型肝炎 / 脂質 / SPP |
Research Abstract |
1.HCV構造蛋白質のラフト局在と成熟過程への関連性 HCVコア蛋白質は、細胞内のラフト構造にも局在してるが、ウイルス感染環あるいは病原性における役割はわかっていない。コア蛋白質はSPおよびSPPで切断されることによって成熟蛋白質になるが、どの過程がラフトへの局在に必要条件であるか分かっていない。本研究によって、コア蛋白質は成熟することでラフト構造への局在し、それがウイルス感染に有利に働いている事が分かった。SPP抑制剤およびSPP変異体発現によってウイルス増殖は抑制され、コア蛋白質のラフト画分への局在は抑制された。 2.HCVによる脂肪合成経路活性化の経路解明コア蛋白質は核でPA28γと結合するとプロテアソームに依存して分解され、脂肪肝を発症する。PA28γがないと、コア蛋白質は核に集積し、脂肪肝は誘導されない。しかし、脂肪酸およびコレステロール合成経路のどの因子がコア蛋白質発現によって影響を受けるのかわかっていない。本研究によって、コア蛋白質による中性脂肪および脂肪酸合成が誘導されていることが、コア蛋白質発現マウスを使って明らかになった。脂肪酸および中性脂肪の合成促進は、転写因子核内受容体LXRおよびRXRαの活性化を介して行われており、コア蛋白質の発現はそれを活性化しており、それにはPA28γの発現が不可欠であった。
|