2008 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスによる脂肪合成活性化と関連病態の解析
Project/Area Number |
19590473
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森石 恆司 Osaka University, 微生物研究所, 准教授 (90260273)
|
Keywords | C型肝炎ウイルス / C型肝炎 / HCV / 肝脂肪化 / SPP / 膜内プロテアーゼ |
Research Abstract |
1.HCV構造蛋白質のラフト局在と成熟過程への関連性HCVコア蛋白質は、細胞内のラフト様構造にも局在してるが、ウイルス感染環あるいは病原性における役割はわかっていない。コア蛋白質はシグナルペプチダーゼおよびSPPで切断されることによって成熟蛋白質になるが、どの過程がラフトへの局在に必要条件であるか分かっていない。本研究によって、SPPで切断を受けたコア蛋白質はラフト様膜画分への移行することが、ウイルス粒子形成に必要であることが示された。SPP抑制剤およびSPP変異体発現によってウイルス増殖は抑制され、また、SPP耐性変異をコア蛋白質コード領域に挿入したウイルスでは、ウイルス産生が著しく抑制されていた。以上のことから、SPPは抗ウイルス剤開発の標的候補になりうる事が示唆された。 2.HCVによる脂肪合成経路活性化の経路解明コア蛋白質は核でPA28γと結合するとプロテアソームに依存して分解され、脂肪肝、インスリン抵抗性、肝細胞癌を発症する。PA28γ遺伝子の欠損によって、コア蛋白質は核に集積し、脂肪肝は誘導されない。本研究によって、LXRα/RXRαによってSREBP-1cプロモーターが活性がコア蛋白質とPA28γの発現によって増強されることが分かった。また、インターフェロン抵抗性を示すC型肝炎患者で多く認められるコア蛋白質変異を加えるとSREBP-1cプロモーター活性が低下することが認められた。以上のことから、PA28γ存在下で、コア蛋白質はLXRα/RXRαの転写活性を上げ、脂肪化を促し、それがインターフェロン抵抗性にも関連があることが示唆された。
|