2007 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルスLMP遺伝子による細胞形質転換機構の包括的解析
Project/Area Number |
19590474
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安居 輝人 Osaka University, 微生物病研究所, 准教授 (60283074)
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Keywords | Epstein-Barr virus / latent membrane protein / EBNA / TNF receptor family / BCR / Blymphocyte / Herpesvirus / lymphoma |
Research Abstract |
現在、免疫細胞に感染する様々なウイルスが人類を脅かしている。特にB細胞を感染標的としているEBウイルスの感染症治療戦略においては免疫細胞が治療標的となるため、治療時は免疫システムの破綻による二次感染症増悪の危険性を常にはらんでいる。従って、より厳密なウイルスの増殖、病原性発現の制御を特化した治療戦略が必要となり、このためには宿主免疫制御機構とウイルス病原性惹起における分子メカニズムの同時理解が必須である。本研究はEBV発がんの分子機構を解明するために、EBV潜伏感染遺伝子Latent membrane protein (LMP1、LMP2a)のB細胞形質転換機構の分子作用メカニズムを解析する。さらに、それに基づいて免疫システムを保持したより安全な治療戦略の構築を目的として、LMPl、LMP2a凝集活性を指標とした薬剤スクリーニング法の確立を試みる。本年度はEBV感染におけるLMP遺伝子産物の機能とそのシグナル伝達に関与する宿主因子の細胞形質転換への寄与を明らかにすることで、ヘルペスウイルス関連リンパ球増殖疾患を克服する共通治療戦略を構築することを目的とした。効率的な目標達成のために以下の課題に集中し、解析した。 LMP1-LMP2a間蛋白相互作用の解析:両分子間の直接的相互作用を証明するために、Bimolecular Fluorescence Complementation (BiFC)法を行い、蛍光強度の発現を検討することによって、LMP1-LMP2a分子相互作用の有無を検討した。その結果、LMP1間、LMP2a間及びLMP1-LMP2a間相互作用が存在することが明らかとなった。(本成果は抗EBウイルス薬開発法として特許出願中)
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