2007 Fiscal Year Annual Research Report
再構成系を用いたアクセサリー蛋白質によるパラミクソウイルスの出芽機構の解明
Project/Area Number |
19590475
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂口 剛正 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (70196070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 崇 広島大学, 大学院・歯薬学総合研究科, 助教 (70419498)
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Keywords | パラミクソウイルス / センダイウイルス / ニパウイルス / ウイルス出芽 / C蛋白質 / cDNAからのウイルス作成系 / ウイルス |
Research Abstract |
本年度は、パラミクソウイルス出芽に対するアクセサリー蛋白質の関与を明らかにするために以下のとおり実施した。 1. センダイウイルス出芽におけるC蛋白質の働きを調べるために、C蛋白質の荷電アミノ酸を変異させた一連のCm変異体(Cm2'〜Cm6')について、この変異をもつウイルスゲノムcDNAを作成した。この際に、計画のとおりにラムダファージを用いて簡便に全長cDNAを構築する方法を使用した。さらに産業総合研究所西村・中西博士の助力を得て、これらのすべての全ゲノムcDNAからウイルスを回収した。また、対照としてアポトーシスを誘導し、Jak-Stat経路を阻害することが知られているC-L170Sと、ウイルス解析中に見られた部分復帰変異体も得た。これまでのウイルスの解析では、いろいろなアポトーシス誘導能・出芽能・ウイルスRNA合成抑制能をもつウイルスが得られている。計画していた分節型センダイウイルスは回収することができなかったが、さらに試みる予定である。 2. ニパウイルスM蛋白質のリン酸化修飾について、リン酸化部位予測プログラムによりリン酸化部位を絞っていき、リン酸化部位は単一ではなく複数のアミノ酸であること、そのうち大部分はN端の一群のセリン残基であること、さらにこれらの部位のリン酸化がウイルス様粒子の出芽に大きな影響を与えることを明らかにした。現在、さらに変異体を作成中である。他の蛋白質を導入した多蛋白質によるウイルス様粒子の作成について、各蛋白質に対する抗体を作成して性質を確認した。 このようなデータの結果を踏まえ最終年度となる来年度は、変異ウイルスの性状を、抗インターフェロンシグナル伝達能も含めて調べて、アクセサリー蛋白質の出芽等に対する影響をまとめたい。また、複数の蛋白質によるニパウイルス様粒子の性状について検討を進めたい。
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Research Products
(12 results)