2008 Fiscal Year Annual Research Report
再構成系を用いたアクセサリー蛋白質によるパラミクソウイルスの出芽機構の解明
Project/Area Number |
19590475
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂口 剛正 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (70196070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 崇 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70419498)
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Keywords | パラミクソウイルス / センダイウイルス / ニパウイルス / ウイルス出芽 / C蛋白質 / cDNAからのウイルス作成系 / ウイルス |
Research Abstract |
最終の本年度は、以下のとおり研究を実施した。 1.センダイウイルス出芽においては、Alixという宿主蛋白質がウイルス蛋白質MあるいはCと結合して作用することが、従来からのウイルス様粒子作製実験で明らかになってきた。Alixと結合できないC蛋白質をもつウイルスを人工的に作製し、そのウイルスの粒子形成と出芽を調べたところ、ウイルスレベルではこの結合は重要ではないことが明らかになった(未発表)。一方、Alixと結合できないM蛋白質をもつウイルスを作製したところ、ほとんど出芽できなかった。このウイルスを卵で盲継代したところ、3代目で出芽能を回復した復帰変異株を得ることができた。この株は、先だって人工的に変異を導入したAlixとの相互作用部位に新たな復帰変異が入っており、これが出芽能回復に関与していることが示唆された(投稿準備中)。以上から、ウイルスレベルにおいては、出芽にAlixとM蛋白質の相互作用が重要であることが明らかになった。 2.C蛋白質の多数の変異体の解析から、インターフェロンシグナル伝達系阻害、インターフェロンβ誘導阻害、アポトーシス阻害のそれぞれの形質を欠くウイルスが得られ、これらの形質がある程度独立したC蛋白質の作用によることが推測された(投稿準備中)。また、C蛋白質を欠くとゲノムRNA合成の制御が崩れて、従来のマイナス鎖RNAだけではなく、プラス鎖RNAをゲノムにもつウイルスが精製することがわかった(lrieetal.,2008b)。C蛋白質変異ウイルスの中に、これに近い形質を示すものがあり、この変異体はインターフェロンβ誘導阻害も起こさないので、両形質の関連が示唆された。 3.ニパウイルス、ならびに新たに調製した近縁のヘンドラウイルスのM蛋白質において、そのリン酸化がM-VLPの出芽に対する影響を検討したが否定的な結果であった。
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Research Products
(7 results)