2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス組換え技術と疲労研究を基盤としたβ-ヘルペスウイルス再活性化因子の同定
Project/Area Number |
19590483
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
近藤 一博 Jikei University School of Medicine, 医学部, 教授 (70234929)
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Keywords | ヘルペスウイルス / HHV-6 / HHV-7 / 潜伏感染 / 再活性化 |
Research Abstract |
サイトメガロウイルス(CMV)、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)、HHV-7からなるβ-ヘルペスウイルスの再活性化機構の解明と予防策の開発は、医療にとって重要であるが、β-ヘルペスウイルスのみならず、ヘルペスウイルスの再活性化を誘導する物質は未だ明らかではない。 本研究では、我々のこれまでの研究の成果である、β-ヘルペスウイルスの再活性化刺激が、「疲労」と深く関わっていることと、潜伏感染特異的遺伝子がストレス応答と関わる可能性のある構造(uORF:upstream open reading frame)を持つという発見をもとに、β-ヘルペスウイルスの再活性化を誘導する因子の同定や再活性化機構の解析を行なうことを目的としている。 本年度は、HHV-6の再活性を可視化することと、再活性化を誘導するシグナル伝達を検討するために、HHV-6の再活性化の誘導と関係する前初期遺伝子エンハンサー・プロモーター部位の構造解析と、この部位のストレス応答性の解析を行った。この結果、HHV-6の潜伏感染特異的遺伝子であるType I sense HHV-6 latent transcript(H6LT)とType II H6LTの両者が細胞性のストレス応答蛋白であるGCN2やATF4と類似のuORF構造を持つことが判った。特に、Type II H6LTのuORF構造は、これらの細胞因子と極めて類似していた。また、実際にこれらの構造のストレス応答をルシフェラーゼなどのマーカー遺伝子を用いて検討した結果、Type I、Type IIともにストレス応答能を持つことが判明した。また、in vivoでの再活性化のインディケーターウイルスを作成するために、ウイルス増殖時に特異的に作動するプロモーターを検討し、U79/80遺伝子プロモーターがこれにふさわしいことを見出した。
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Research Products
(6 results)