2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス組換え技術と疲労研究を基盤としたβ-ヘルペスウイルス再活性化因子の同定
Project/Area Number |
19590483
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
近藤 一博 Jikei University School of Medicine, 医学部, 教授 (70234929)
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Keywords | ヘルペスウイルス / HHV-6 / 潜伏感染 / 再活性化 / 疲労 / 疲労因子 |
Research Abstract |
サイトメガロウイルス(CMV)、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)、HHV-7からなるβ-ヘルペスウイルスの再活性化機構の解明と予防策の開発は、先進医療にとって大きな意義をもつ,しかし、β-ヘルペスウイルスのみならず、ヘルペスウイルスの再活性化を誘導する物質は明らかではなかった。 本研究は、我々のこれまでの研究による、β-ヘルペスウイルスの再活性化刺激が、「疲労」と深く関わっていることと、潜伏感染特異的遺伝子がストレス応答と関わる可能性のある構造を持つという発見をもとに、β-ヘルペスウイルスの再活性化を誘導する因子の同定や再活性化機構の解析を行なうことを目的として行なった。 本年度は、HHV-6再活性化と疲労の分子機構の関係を明らかにするために、疲労と関係する可能性のあるストレス応答シグナルと、HHV-6再活性化に関係する可能性のある遺伝子発現調節機構との共通部分を精査した。さらに、この様にして絞り込んだ関連分子の機能や、シグナル伝達分子としての関連性を検討し、疲労を伝達する因子(疲労因子)を同定した。この分子は、動物の2時間の強制水泳や8時間の不眠による疲労において、HHV-6の潜伏感染細胞を含む体内の多くの臓器の細胞で誘導され、in vivoトランスフェクションによって疲労を誘導することができた。また、この分子は、HHV-6再活性化のシグナルを誘導し、疲労によるHHV-6再活性化誘導に深く関わる因子であると考えられた。
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Research Products
(6 results)