2007 Fiscal Year Annual Research Report
CD40シグナルを標的としたEBウイルス感染細胞制御に関する研究
Project/Area Number |
19590486
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
今留 謙一 National Research Institute for Child Health and Development, 母児感染研究部, 流動研究員 (70392488)
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Keywords | EBウイルス / CD40 / CD40リガンド |
Research Abstract |
これまで申請者らはリンパ球系におけるEBV感染によるCD40,CD40リガンド(CD40L)発現とその機能解析を行ってきているが、残るEBV感染宿主細胞として報告される上皮細胞へのEBV感染におけるCD40シグナルの果たす役割解明についても進めて行く。その成果は、EBV関連胃癌や上咽頭癌などのEBV関連主要の感染細胞増殖制御や感染成立機序の解明につながる可能性が期待される。そして、リンパ球系におけるEBV感染やそこでのCD40シグナルの果たす役割と上皮系におけるEBV感染やCD40シグナルの果たす役割についての比較検討を行うことを通し、EBVのライフサイクル解明の可能性も期待される。 上皮細胞へのEBV感染におけるCD40,CD40Lの発現解析およびCD40シグナル伝達機構解析を行った。in vitroでの上皮細胞へのEBV感染効率は2〜5%程度のため、申請者らはEBV陰性胃癌細胞株(AGS,MKN28,MKN74)にG418でEBV感染細胞を選択的に樹立できる組換EBVを感染させ、EBV陽性上皮細胞を樹立した。樹立された細胞と非感染細胞からRNAを抽出しRT-PCR法を用いてCD40,CD40Lの発現とEBV遺伝子の発現を解析した結果、EBV感染により上皮細胞上にCD40とCD40Lが共発現誘導していた。一方、胃癌細胞株(AGS,MKN28,MKN74)に非組換型のEBVを感染させ、感染細胞とCD40,CD40L発現の関係を感染後24時間、48時間でin situハイブリダイゼーション法により感染成立と発現の相関関係を解析したところCD40は常に上皮細胞上に発現しているがCD40Lが感染24時間以内に発現誘導されることが示された。また、この発現誘導されたCD40LとCD40の相互作用を阻害すると細胞増殖が低下しアポトーシス抵抗性も低下することが示された。このことからCD40シグナルを標的としたEVウイルス感染細胞制御はリンパ球系の感染細胞と同様に、上皮感染細胞でも有用であることが示され、全てのEBウイルス感染細胞においてその増殖を制御できる可能性が示された。
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Research Products
(2 results)