2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590489
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
多田 浩之 Akita University, 医学系研究科, 特別研究員 (70431632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小内 伸幸 秋田大学, 医学部, 助教 (50323605)
手塚 裕之 秋田大学, 医学部, 助教 (30375258)
佐藤 卓 秋田大学, 医学部, 助教 (40375259)
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Keywords | Nod1 / Cross-priming / dendritic cell / Cytotoxic T lymphocyte / Endotoxin shock |
Research Abstract |
細胞質に発現するnucleotide-binding oligomerization domain (Nod)1は、細菌を構成する細胞壁の一成分であるiE-DAPを認識すると感染初期の生体防御に必要な自然免疫応答を発揮することが知られている。自然免疫応答と獲得免疫の両方に重要な役割を担う樹状細胞(DC)はNod1とNod2を共に発現するが、その機能はほとんど解明されていない。本年度は、Nod1による自然免疫応答および抗原特異的獲得免疫の誘導について、CD8_+T細胞が細胞傷害性T細胞に分化するために必要なクロスプライミングと炎症性応答であるエンドトキシンショックの誘導モデルを用いて、細菌感染に対するNod1分子の重要性を生体内において検討した。 その結果、各種iE-DAPを含有するNod1刺激物質を抗原とともに野生型マウスに投与すると、Nod1刺激物質の刺激を受けたDCの抗原提示を受けた抗原特異的CD8_+T細胞は、その増殖が増強された。このDCはMHC class I上に提示される抗原(クロスプレゼンテーション)の量が増加しており、共刺激分子CD40およびCD86の発現が亢進していた。さらにマウスにNod1刺激物質を投与すると、抗原特異的な細胞傷害活性がNod1依存的に増強されたことから、Nod1刺激物質によるクロスプレゼンテーションの亢進は、クロスプライミングの増強に至ることを見出した。 他方、Nod1刺激物質を投与したマウスに致死量以下のエンドトキシン(LPS)を投与すると、エンドトキシンショックが誘導されマウスはすべて死亡することを見出した。同現象は非造血細胞がNod1刺激物質を認識し、造血細胞からのTNF-αが生産されることで誘導された。さらに、マクロファージを除去するとエンドトキシンショックは誘導された。
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Research Products
(25 results)