2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590492
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳井 秀元 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 助教 (70431765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都島 健介 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50436482)
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Keywords | 心疾患 / IRF / アンギオテンシン / TLR / サイトカイン |
Research Abstract |
本研究は自然免疫系のシグナル伝達系が心血管病態形成において果たしている役割を解明し、循環器系と免疫系のシグナル伝達のクロストークの解明、及び心血管病の新たな分子標的を発見することを目標とする。 我々はinterferon regulatory factor(IRF)ファミリー転写因子の中でIRF-3に着目し、Irf3遺伝子欠損マウスでは心血管病態の発症促進が認められること、またIRF-3のシグナル伝達系が心不全の分子標的であるアンジオテンシンII(AngII)下流の細胞内シグナルと一部共通する可能性があることを見いだした。 平成20年度はIRF-3が心臓線維化誘導にどのように関与しているかを分子レベルで明らかにするための検討を行った。 1.野生型マウスに野生型マウス由来の骨髄細胞を移入してAngIIを付加すると心臓の繊維化誘導が起こるが、Irf3遺伝子欠損マウス由来の骨髄細胞を移入すると繊維化が誘導されなかった。このことから、間葉系由来細胞ではなく、骨髄系細胞で発現しているIRF-3がAngII刺激による心臓の繊維化に重要であることが示唆された。 2.AngIIによるIRF-3活性化メカニズムについて解析するため、AngII type Iレセプターを発現させたHEK293T細胞にAngII刺激を行い、IRF-3のリン酸化をウエスタンブロットにより検討した。IRF-3はウイルス感染時にリン酸化を受け活性化し、核に移行することによって転写因子として機能することが知られているが、AngII刺激によってもリン酸化を受け、核に移行していた。 さらに各種キナーゼインヒビターを用い、このリン酸化に関与するキナーゼを同定しつつある。またリン酸化されるアミノ酸部位もIRF-3変異体を用いた解析から同定した。 3.IRF-3が繊維化に重要な遺伝子の誘導に関連するか検討するためAngII付加を行ったマウス由来の心臓からRNAを調製し、マイクロアレイ解析を行った。その結果、IRF-3依存的に発現が変動する繊維化関連遺伝子群を複数同定した。 現在これらの結果をまとめ、論文を投稿準備中である。
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Research Products
(4 results)