2008 Fiscal Year Annual Research Report
IgE陽性B細胞活性化・維持および抗体産生機構の解析
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19590493
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
安達 貴弘 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 准教授 (50222625)
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Keywords | IgE / シグナル伝達 / Bリンパ球 |
Research Abstract |
IgM/IgDを含む抗原受容体を発現しているナイーブB細胞と異なり一度病原体に暴露されて活性化され、クラススイッチを起こしてIgGやIgE陽性となったB細胞の一部は記憶細胞として長期間にわたり生存する。記憶B細胞は病原体の再侵入に対し、迅速で強い抗体産生を誘導して感染防御に寄与している。これらの細胞、特にIgE陽性細胞については活性化の機序等不明な点が多い。これまでに細胞株を用いてIgE陽性B細胞もIgG陽性細胞と同様に抗原受容体シグナル伝達がIgM陽性細胞に比べ強く起こることを示し、IgE陽性B細胞についてもナイーブB細胞に比べて活性化されやすいと考えられる。しかし、IgE陽性B細胞の生体内での活性化・維持の分子機構についてはほとんど知られていないので、マウスのIgE陽性B細胞についての解析を行った。B220をB細胞の細胞表面マーカーとして2次リンパ組織である脾臓および骨髄中のIgE陽性細胞を調べたところ、SPF環境下の非免疫マウスの脾臓では数百程度のIgE陽性B細胞が存在することが確認された。さらに細胞表面マーカー分子を調べると、IgG陽性記憶B細胞と類似してCD38陽性Fas陽性のものが主要であったが、細胞表面のIgEなどの発現が異なる点もあった。一方骨髄ではIgE陽性細胞は存在するものの、ほとんどが顆粒系細胞で、IgE陽性B細胞はごく少数であった。IgG陽性細胞とIgE陽性細胞の比率は脾臓に比べて骨髄では非常に低くなっていた。このことからIgE陽性B細胞は骨髄以外で維持されることが推測される。
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