2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590496
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平田 多佳子 Osaka University, 微生物病研究所, 特任准教授 (00346199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重田 暁子 大阪大学, 微生物病研究所, 特任研究員 (50420435)
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Keywords | T細胞 / 接着分子 / セレクチン / シアロムチン / CD43 / PSGL-1 / 皮膚 / 白血球ローリング |
Research Abstract |
体外から侵入しようとする感染性病原体に対して最初のバリアーとして機能するのが、体の外面を覆う「皮膚」である。皮膚には定常時にもメモリーT細胞が存在するが、感染時にはエフェクターT細胞が速やかに動員され感染防御において中心的役割を担う。また、皮膚に浸潤するT細胞はアレルギー性接触性皮膚炎、乾癬、アトピー性皮膚炎などの炎症性皮膚疾患の病因・病態に関与することが示されている。エフェクター/メモリーT細胞の炎症皮膚への動員は皮膚血管内皮細胞に発現するP-セレクチンとE-セレクチンにより媒介される。私たちはこれまでに、T細胞に発現するP-セレクチンリガンドとしてPSGL-1、E-セレクチンリガンドとしてPSGL-1およびCD43を同定した。本研究では、PSGL-1およびCD43が生体内でどのように機能するか明らかにするため、これらの分子の一方および両方を欠損するマウスを用いて解析した。その結果、生体内で感作されたT細胞のE-セレクチン結合活性および炎症皮膚への集積は、両分子を欠損する場合に最も低下したことから、CD43とPSGL-1が共にE-セレクチンリガンドとして機能し、T細胞の炎症皮膚への移住を媒介することが示された。しかし、両分子を欠損してもT細胞の集積が残存したことから、これらの分子以外にも新規E-セレクチンリガンドが存在することが示された。そこで、両分子を欠損するT細胞の生化学的解析を行った結果、新規E-セレクチンリガンドとしてESL-1を同定した。さらに、特定の糖鎖修飾を受けたESL-1が生理的なフロー条件下でE-セレクチン依存的なローリングを媒介することを明らかにした。
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